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【3DCGを学ぼう】ポストプロダクションとはなにか【建築パース制作】

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    【3DCGを学ぼう】ポストプロダクションとはなにか【建築パース制作】

    1. ポストプロダクションとは?

    ポストプロダクションとは、主に映像業界で使用される専門用語で、撮影等で素材の制作が行われた後に編集・加工・音声追加などをして完成させるまでの工程のことを言う。最近よく聞く動画編集とはこのポストプロダクションに含まれる。

    3DCGにおけるポストプロダクションとは、モデリング・ライティング・マテリアル設定を行いレンダリングした結果に対して、明るさを調整したり色彩を変更したりオブジェクトを合成する一連の作業になる。

    2. 建築CG制作におけるポストプロダクション

    3DCGのポストプロダクション同様、明るさ調整やオブジェクトの合成がメインである。レタッチという呼び方の方が建築CG制作には主流であり、印刷業界における色補正などの修正作業をフォトレタッチと呼ぶところからの語源だと思われる。

    建築パース制作において3DCGでの作業では、樹木や人物といった複雑なかたちをしているものを3Dモデルとして反映することはあまり行わない。このポストプロダクションの段階で写真素材を合成することがほとんどである。実際にそれぞれどのような対応をしているのか見ていこう。

    2-1. 人物合成

    人物の合成は、切り抜き素材と呼ばれる合成目的に背景から切り取られた写真データを利用して行う。外国人のデータが主流ではあるが、少なからず日本人のものも有料にて見つけることができる。抽象性や見た目のよさもあり、外国人が合成されている日本の建築パースをよく見かける。

    切り抜き人物データとその利用方法についてまとめた記事はこちら
    >>【建築パース素材】プロが徹底解説 切り抜き人物素材とその合成方法
    人物の切り抜き方についての記事はこちら
    >>【時短】人物・背景樹木を切り抜き【Photoshopで建築パース】

    2-2. 樹木合成

    樹木の合成についても人物同様、切り抜き素材を利用して行う。こちらは無料で利用できるものは少なく、また質も高くないため、有料素材を検討した方がよい。パソコンの性能が上がったことや素材の多様化で、3DCG上で3Dモデルとして反映することも多くなってきている。

    切り抜き人物データとその利用方法についてまとめた記事はこちら
    >>【建築パース素材】プロが徹底解説 切り抜き樹木・植栽とその合成方法

    2-3. 色調補正

    レンダリングした画像が全体的に暗かったり、どことなくはっきりしない雰囲気だったりする場合、レタッチにてその補正を行う。Photoshopで言うと「明るさ・コントラスト」や「レベル補正」である。

    また、セットになったカラーの配列を適用することで調整を行う「カラールックアップ」という方法もある。
    〇〇風みたいに加工できるインスタグラムのような機能がワンクリックで行える。まとめた記事があるので参考にしていただきたい。
    >>【建築パース】カラールックアップ・レタッチテクニック

    Photoshopによる色調補正についての基本は、こちらの記事がとても参考になる。

    デザイナー不在でも!超カンタン!初心者でも使えるPhotoshopテクニック!色調補正(レタッチ)編 | Find Job ! Startup
    はじめに 初心者でも使えるPhotoshop(フォトショップ)テクニック!第3回目は、写真や画像の色を補正する方法(レタッチ方法)についてご説明します。 仕事やプライベートで写真を撮影して、後からデータを見返した時に、「暗い」「実物と色が違う」など、想定したものと違う写真になってしまっている事、ありますよね。そんな時に使えるのが、色調補正(レタッチ)!簡単な操作で、自分が本来撮りたかった色に近づけることができるんです。 仕事はもちろんのこと、プライベートでも使えるテクニックなので、是非チェックしてみてください! ※今回使用するソフトは、Windows版Adobe Photoshop CC 2015です。CC以前のバージョンとは、使い方が大きく異なることがありますので、ご了承ください。   Photoshopの設定 色調補正をする前に、まずはPhotoshopのカラー設定を整えましょう。設定がしっかりできていないと、せっかく補正しても思い通りの色にならないことがあります。 Webに掲載するのか、紙に出力するのか等、用途に合せて、設定を変更しましょう。   Web・インターネット掲載用 上のオプションバーから「編集」→「カラー設定」を選択します。 「カラー設定」ダイアログボックスで、以下のように「設定」の欄を「Web・インターネット用-日本」に変更します。「カラーマネジメントポリシー」の「RGB」欄が「作業用RGBに変換」になっていると、違ったカラー設定の画像を開いても、自動で「sRGB IEC61966」に変換してくれます。   プリプレス用(印刷用) 上のオプションバーから「編集」→「カラー設定」を選択します。 「カラー設定」ダイアログボックスで、以下のように「設定」の欄を「プリプレス用-日本2」変更します。   画像の一部だけを色調補正したい場合の範囲選択方法 色調補正をする際、画像全体を補正したい場合と、画像の一部だけを補正したい場合の2パターンがあるかと思います。 前者の場合は、そのまま色調補正をすればいいのですが、後者の場合は、選択ツールやパスなどで、補正したい部分をあらかじめ選択する必要があります。 実際の場面では後者の場合が多いので、この章では、補正したい部分の選択方法についてご説明します。 以下の写真で、花だけを補正したいとします。 まずは、花を手動で範囲選択します。 今回は、「自動選択ツール」と「なげなわツール」を使って選択しました。範囲選択に使用するツールは、選択したいオブジェクトの形によって適切なものを選んでください。 「自動選択ツール」・・・複雑な形でないオブジェクト、外側の線が途切れていないオブジェクト など 「なげなわツール」・・・曲線が多いオブジェクト、形が複雑なオブジェクト など 「多角形選択ツール」・・・四角いオブジェクト、角が多いオブジェクト など 範囲選択ができたら、くっきりと分かれてしまっている境界線を柔らかくするために、ぼかしを入れます。 上のオプションツールバーから「選択範囲」→「選択範囲を変更」→「境界をぼかす」を選択します。 「境界線をぼかす」ダイアログボックスで、「ぼかしの半径」に「0.5」と入力します。 範囲選択をした状態で、色調補正を行うと、以下のように、選択した部分だけ補正をすることができます。 以下の画像をご覧ください。 花の色だけが明るくなっていることがお分かりいただけるかと思います。 (※色調補正の具体的な方法は、次の章でご説明します) 範囲選択をして補正する、という方法をマスターすると、以下のような人物写真で、顔色だけを明るくすることもできます。   色調補正の方法 1.「明るさ・コントラスト」 操作難易度:★☆☆☆☆、仕上がりの精密さ:★★☆☆☆、速さ:★★★★★ デメリット:繊細な補正ができない 画像の明るさやコントラストを補正することができます。一番シンプルかつ操作が簡単な補正方法です。 写真を撮った際に、思ったよりも暗くなってしまった時やコントラストのバランスがよくなかった時などに使用します。 操作が簡単な反面、デメリットとして、「画像を明るくすると白っぽくなり、それを修正するためにコントラストを高くすると中間色が減ってしまい、他の色がきつくなる」等、繊細な補正ができないことが上げられます。 バランスを見ながら、一部を明るくして一部を暗くする等の細かい補正が必要な場合は、「レベル補正」や「トーンカーブ」の使用がおすすめです。   明るさ それでは、以下の暗い写真を、適正な明るさに補正してみましょう。 上のオプションバーから「イメージ」→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」を選択します。 「明るさ・コントラスト」ダイアログボックスで、「明るさ」のスライダーを右にスライドさせます。 画像は、右にいけばいくほど明るくなり、左にいけばいくほど暗くなります。 プレビューのボックスにチェックを入れておくと、スライダーを調整しつつ、リアルタイムで色調補正後のプレビューを見ることが出来るので便利です。 明るくした画像がこちらです。 大分雰囲気が変わりましたね。 ...
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    2-3. その他のレタッチ

    レンダリングの段階で意図している雰囲気とガラッと変えてしまうレタッチ方法もある。
    昼間であったものを夕景にしてみたり、雨や雪を降らせてしまうことも可能だ。

    関連記事
    >>【Photoshop】昼→夕→雨→雪へとレタッチ【建築パース】

    雰囲気を手書き風に変えてしまうこともできる。
    >>【Photoshop】建築パースや写真を「手書き風」に簡単変換!

    インテリアシーンの建築CG制作工程の解説において、ポストプロダクションを取り上げ説明している。
    こちらの記事も参考にしていただきたい。
    >>インテリアパースのポストプロダクションを解説

    3. ポストプロダクションまとめ

    今回紹介したポストプロダクションはとても強力だ。

    建築CGパース制作にとってレンダリングを終えて完成ということは少なく、ポストプロダクションを行い最終のクオリティへと高めていく。この工程は非常に大事である。

    当然センスも必要となってくるが、そのパターンとやり方をどのくらい理解しているか・知っているかも重要だ。
    解説しているサイトや動画が色々あるので情報を集めよう。

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