
いろいろな呼ばれ方をする建築パースについて整理し解説することで、その違いや制作方法などの情報を掘り下げて解説していこうと思う。
今回は「内観パース・インテリアパース」について。
ある程度その意味をイメージできる方ばかりだと思うが、改めて真っさらな気持ちで読んでみて欲しい。
いままで知らなかった内容や気づきが見つかるはずだ。
1. 内観パース・インテリアパースとは?

内観・インテリアパースとは、室内デザインをリアルに表現するための立体的なパース図で、主に店舗や住宅の設計や改装の際に使用される。インテリアパースでは、家具や照明、仕上げのマテリアルなど、空間に含まれるさまざまな要素を組み合わせて、実際の空間のイメージを具現化することができる。
店舗パースにおいては、内装材や納まり、意匠に関する知識が重要であり、それらの要素を適切に表現するためには高度な3DCGの技術が求められる。店舗デザインは顧客からの印象やブランディングに直結するため、魅力的なインテリアパースが求められる。
住宅のインテリアパースでは、家具やインテリアアイテムの配置、色味・素材感など、住まい手のライフスタイルや好みに合わせたデザインが重視される。住宅パースは、建築家やインテリアデザイナーがクライアントとのコミュニケーションのために利用することが多く、空間のイメージを共有しやすくするために重要な役割を果たす。
2. 内観パース・インテリアパースの制作方法

基本的には、【初心者向け】「CGパース」とは?その種類・制作方法や価格を解説の記事で解説した、CGパースの作り方と同様の工程をたどる。
内観・インテリアパースは、CG技術の革新によってシンプルなライトの設定のみで比較的簡単に綺麗が画像が生成できるようになった。しかし一定以上のクオリティを求めるとなると、高い技術力と知識・経験が必須である。
内観・インテリアパースでは、外観パース制作に比べ、形状を作成するモデリング能力やマテリアルを上手に表現する質感設定が重要である。スケール感や賑わいを表現するために人物や商品の写真合成は欠かせない。
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3. 内観パース・インテリアパースにはどんな使い方がある?
内観パース・インテリアパースを制作して実際にどういった利用方法があるのか解説していこう。
3-1. 不動産(マンション・住宅)
外観パースと同様に、内観・インテリアパースも実際に存在しない空間の完成形を事前に把握できる利点がある。家具や照明、仕上げの素材がリアルに表現されたインテリアパースは、クライアントや購入検討者がその空間での生活を自分事としてイメージしやすく、プロジェクトの進行や意思決定に役立つ有用なツールとなる。
また、CG技術を利用することで、壁紙やフローリングなどの素材やパターンを簡単に変更・作成することができる。これにより、デザインの検討や比較が容易になり、最適な選択肢を見つけることが可能となる。
3-2. インテリアデザイン
建築設計やインテリアデザインの計画検討用にインテリアパースが利用されることもあるが、最も一般的な用途はクライアントや施設への説明用である。リアルで分かりやすいインテリアパースは、デザインの意図や雰囲気を効果的に伝えることができるため、プロジェクトの進行や承認に大きく寄与する。
クライアントの百貨店への出店時には、提出図面にパースを添付することが必須とされており、出店計画の説明や審査に役立てられる。また、工事中の仮囲いへの掲示やプレスリリース、広告などのマーケティング活動にもインテリアパースが活用される。これにより、来店客や関係者に対して新しい空間の魅力を伝えることができる。
4. 内観パースを制作するメリットは?

インテリアパースを活用することで、設計者・施工者・施主間でのイメージの共有が容易になり、認識相違の回避や希望に沿った修正・改善が可能となるメリットは大変大きい。これにより、プロジェクトの進行がスムーズになり、より満足度の高い結果を得ることができる。
外観パースに比べて、内観・インテリアパースでは家具やマテリアルの候補検討など、シミュレーションとして利用される機会が多い。インテリアパースを用いることで、異なる素材や配置の組み合わせを簡単に試すことができ、最適な選択肢を見つけることが容易になる。
現代のCG技術の進歩により、写真と見間違えるほどのクオリティのインテリアパースが表現可能になった。これにより、未来の空間をよりリアルにイメージし、デザインや素材選びに役立てることができる。また、高い精度のインテリアパースは、クライアントや購入検討者に対しても魅力的な空間を効果的に伝えることができるため、プロジェクトの成功に大きく寄与している。
5. 内観パースまとめ
以上が内観パース・インテリアパースについて理解を深めるために解説した内容となる。
外観パースが建築物全体の表現に利用されることが多いのに対して、内観・インテリアパースは、より身近な空間や店舗の内装に関するデザインを具体的にイメージするために使用される。
仕上げ材の違いや家具の種類によって空間の印象が大きく変わるため、事前に内観パースを活用して確認・検討することは非常に有効である。制作者側には、その空間を現実以上に魅力的に表現する高い技術力とセンスが求められる。
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