建築パース・CGパースのためのChaosCorona導入ガイド(後編)

建築パース・CGパースのためのChaosCorona導入ガイド(後編)

前回の記事「建築パース・CGパースのためのChaosCorona導入ガイド(前編)」にてChaosCoronaのマテリアルを中心に解説を行った。今回はそれらを利用してシンプルなインテリアシーンのCGパースを制作するプロセスを説明していく。

ChaosCoronaがいかに設定がシンプルで、簡単に綺麗なレンダリングが制作できるかがお分かりいただけると思う

※この記事は以前に投稿したChaosCoronaについての記事をまとめて再構成したものである。

【この記事の要約:30秒でわかる結論】

  • 結論:V-Ray → Chaos Corona(Corona Renderer)へ切替えるメリットは、シンプルな設定で安定した物理ベースライティングが得られ、計算精度と制作速度のバランスを取りやすい点にある。特にインテリアCGパースでの光の質とノイズ制御は、プロの制作フローにおいてCoronaの強みとして機能する。
  • 独自の視点: レンダラーの選定は画像の質だけでなく、制作設計とワークフローの最適化基準だ。プロはツール切替えを目的化せず、現行のレンダリング要件(画質・ノイズ耐性・反射・影表現)を明確化し、それが最も効率的に達成できるエンジンを選ぶ。Coronaは乱雑なパラメータ調整を抑え、物理光源の制御とノイズの低減を自動的に成立させやすい仕様である。
  • 読後の結果:読者はV-RayとChaos Coronaの設計上の違いと、Coronaを選択することで得られるワークフロー上の効率性と安定性の判断基準を理解し、自社の制作環境におけるレンダラー選定設計を合理的に構築できる状態へ移行する。
目次

1. インテリアシーンをモデリング

これから制作するインテリアシーンの完成モデル。左が陰影のみ、右がワイヤーフレーム表示で、窓・巾木・ケーシング枠、サイドテーブルとデスク、椅子、壁面装飾が並ぶ縦長の部屋

実際に立方体オブジェクトを利用して室内のモデリングを行う方法を紹介していく。

1-1. 室内ベースの準備とカメラの設定

Cinema4Dのレンダリング設定「出力」。プリセットは4インチ×6インチ、幅1200・高さ1800ピクセル、解像度300dpi、フィルム比0.667、フレームレート30

まずは出力サイズを調整する。
今回は縦長の構図にしたいので、レンダリング設定>出力>の下矢印より、印刷(縦位置)>4″×6″を選択。

カメラを追加した4面ビュー。オブジェクト属性で焦点距離45mm、センサーサイズ36mm(35mmフォト)、位置はY=120cm。フォーカス距離2000cm、色温度6500K

カメラを追加する。今回は視点高さH1200mm、焦点距離45mmに設定した。

カメラの設定についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてほしい。
>>もう迷わない!建築CGパース制作のアングル設定完全ガイド

立方体オブジェクトを追加した前面ビューと上面ビュー。天井高3000mmの箱の範囲が青い枠で表示され、中央にカメラが置かれている。グリッド間隔100cm

「立方体オブジェクト」を追加する。
以後この立方体オブジェクトをベースに作りこみを行う。まずは、底面をH=0に上面をH=3000に設定する。
(天井高さ3,000mmの空間を想定して制作)

上面ビューにて、ポリゴンモードにしてから下面ポリゴンを削除しておく。

カメラ位置を調整した状態。左のカメラビューでは床と天井のバランスが取れ、右の上面ビューで黄色い矢印がポイントを動かして空間を広げる方向を示す

カメラの位置を「X:-16.4cm・Z:-256cm」に変更。
Y方向のフィルムオフセットを「-6%」に設定して、床と天井がバランスよく見える範囲に変更する。

ポイントモード・上面ビューより、カメラがおさまるように空間の範囲を大きくしておく。また、現状法線の向きが逆になっているので反転させておく。

1-2. 開口部を作成

ループカットを利用して、開口部となる範囲を作成し、そのポリゴンを削除する。

ループカットで開口部の範囲を切る手順。壁面に4本のラインが入り、赤丸の1がH2400mm、2がH700mm、3が入隅から500mm、4が3から1200mmの位置を示す

カットしたいオブジェクトを選んだ状態で、メッシュ>カット/エッジ>ループカット(M~L)を選択。
上左図のように4本のラインができるようにカット。

①:H2400mm ②:H700mm ③入隅より500mm ④③より1200mm へ移動。

開口部のポリゴンを右クリックメニューの「面内に押し出し(M~W)」で押し出す操作。右は押し出したポリゴンを削除して窓の穴が開いた状態

4本ラインで囲まれたポリゴンを選択して「右クリック」。表示されたウィンドウから「面内に押し出し」を選択。
属性ウィンドウのオプションより、押し出し量を10cmにして適用にしてから削除します。

ケーシング枠の作成。左は別オブジェクトにした枠が窓まわりに残った状態、右はループカットでラインを追加した枠を拡大したところ

押し出したぽポリゴンを選んで右クリックから「選択部分を別オブジェクトに」を選択。
これを利用してケーシング枠を作成。

再度、メッシュ>カット/エッジ>ループカット(M~L)を選んで上右図のようにラインを適当に追加。

ループ選択した四周のポリゴンを右クリックの押し出しで1.5cmの厚みにする前後の比較。選択ポリゴン数は4

選択メニュー>ループ選択(U~L)より四周のポリゴンを選択して、右クリック>押し出しより1.5cmの厚みを持たせた。

ケーシング枠にベベルデフォーマを適用した状態。オブジェクトマネージャでWindowFrameの下にベベルと立方体が並び、オプションはベベルモード面取り、オフセット0.15cm、分割数0、角度しきい値40°

すべての面に押し出し量を適当に行い、面材の形状を制作した後
ベベルデフォーマーと同じフォルダにいれてエッジの面取りを行う。(0.15mm)

窓枠とサッシ枠をつくる4段階。内側エッジをX軸方向へ10cmドラッグして奥行面をつくり、押し出し量0で適用、スケールで内側にポリゴンを作り、2cm押し出してサッシ枠にする

窓枠になる内側のエッジを選択して、モデリング軸のX(赤色)をコマンドキーを押しながら10cmドラッグ。
窓枠の奥行面が作成された。
もう一度内側のエッジが選択されている状態で、右クリック>押し出しから押し出し量を「0」にしてから適用。
その後、スケールツールを選択して内側へポリゴンを作成、エッジのモデリングX軸を押し出して(2cm)サッシ枠を制作。

1-3. 巾木を作成

巾木をつくるためにループカットでH100mmの位置にエッジを入れる操作。赤い矢印が床際に入ったエッジを指す

再度、メッシュ>カット/エッジ>ループカット(M~L)にてH100mmの位置にエッジを作成。

巾木の作成手順3段階。壁下部のポリゴンを別オブジェクトにして1cm押し出し、さらにループカットでエッジを追加していく

ケーシング枠の時同様、この部分のポリゴンを選んで右クリック>「選択部分を別オブジェクトに」を選択。
「1cm」押し出す。この状態でもよいのですが、少し装飾を施す。
ループカットで適当な位置にエッジを追加。

巾木に装飾を入れる3段階。追加したエッジにベベルをオフセット0.5mm・分割数0で適用し、できたポリゴンを内側へ0.5mm押し出して細い溝をつくる

追加したエッジを選んで、右クリック>「ベベル」を選択。オフセットを0.5mm、分割数0で適用。
できたポリゴンを選択して、内側へ0.5mm押し出す。(キャップを作成のチェックは外した状態)
最後に、面取りしたいエッジを選んでベベルをオフセット0.15mmで適用で完成。

1-4. マテリアル別にオブジェクトを整理

マテリアル別にオブジェクトを分けた状態。右はマテリアルごとに色分けした表示で、オブジェクトマネージャに壁・天井、窓枠・サッシ枠、巾木、床が並ぶ

適用するマテリアルを想定してオブジェクトを分けておく。
立方体オブジェクトをベースに制作していたので、壁・床・天井・窓枠が一つのオブジェクトになっている。
今回は床と窓枠を別オブジェクトにする。(やり方はいままで行った、ポリゴン選択から右クリック+別オブジェクトに)

また、CoronaRenderでのレンダリングを想定しているが
現状、壁・床・天井はソリッド(面情報で構成)モデルとなっている。この状態だと入隅部に光のラインが入ってしまいよくないので、すべてのモデルをソリッド状に変換していく。

窓とサッシ枠のポリゴンに厚みを付けてソリッドモデル化する3段階。面だけの状態から、押し出して厚みのある枠になるまでを並べている

簡単に言うと、「厚みを持たせる(ポリゴンを押し出す)」だけである。
上図のように窓・サッシ枠のポリゴンに厚みを持たせてソリッドモデル化した。残りのすべてに関しても同様の対応を行う。

1-5. 家具オブジェクトを配置

家具を配置し終えたインテリアシーンのワイヤーフレーム表示。左に窓と巾木、中央にサイドテーブルとサボテンの鉢、右にデスクと椅子、本とマグカップ、壁面に枝のオブジェ

今回、家具モデリングの説明は割愛する。無料でダウンロードできるサイトから利用している。

「サイドテーブル」
https://c4ddownload.com/old-wood-side-table-3d-model/
「デスク」
※リンク切れ・・・
「椅子」
https://3dwarehouse.sketchup.com/model/ffad5788-b9d4-43a5-9f8b-79e207cebc78/Moore-Chair-Contemporary-Furniture-by-Liqui
「壁面装飾」
https://3dwarehouse.sketchup.com/model/ecdf9525-b623-476e-b295-1235eb0ba0dc/PLANTSBRANCHESTREEMURALPAINTINGWALL-HANGING

その他配置したいものや違う家具を置きたい場合はこちらを参考に
>>建築パース制作のプロが普段利用している3Dモデル素材・サイト7選
また、家具を自分でモデリングしたい場合はこちらの記事を参考に
>>【Cinema4D】 ソファ・モデリングを解説【チュートリアル】

2. カメラ・ライト・レンダリング設定

家具を配置したシーンのクレイレンダリング。左がワイヤーフレーム重ね表示、右が陰影のみで、窓からの光がグレーの壁と床に回り込んでいる

次にCoronaRenderを使用したカメラ・ライト・レンダリング設定を解説していく。

2-1. 基本設定

Cinema4Dのレンダリング設定でレンダラーを選ぶプルダウン。標準・フィジカル・ハードウェアOpenGL・ProRenderが並び、Coronaが選択されている

レンダリング設定のレンダラータブより「Corona」を選ぶ。

CoronaのGeneral settingsでGI solverを選ぶプルダウン。Path tracing・UHD cache・4K cache (experimental)が並び、UHD cacheが設定されている。GI modeはFull (multiple bounces)

「UHD cache」は室内に、「Path tracing」は屋外に適している。

CoronaのDenoise modeを選ぶプルダウン。None・Only firefly removal・NVIDIA GPU AI (fast preview)・Intel CPU AI (speed-quality hybrid)・Corona high quality・Gather data for laterが並び、Corona high qualityが選択されている

Denoiserのモードを選択します。「Corona high quality」で間違いない。

CoronaのGeneral settings。Progressive rendering limitsのNoise level limitに3を設定し、Pass limitは0、Denoise modeはCorona high quality、Denoise amountは0.65

Progressive rendering limits内の「Noise level limit」を3にしておく。これはレンダリング画像全体のノイズが3%になるまで計算するという設定である。

前述のデノイズとノイズリミット3%の組み合わせはよく使う。最初に自分で設定しようとすると必ず迷うので、この設定を目安として覚えておくとよい。

Cinema4Dの一般設定のCorona項目。VFB settingsのDefault frame bufferでCinema 4D picture viewerとCorona VFBのうちCorona VFBを選んでいる

最後に、Cinema4Dの一般設定より、最下部のCorona項目、「VFB settings」よりデフォルトを「Corona VFB」にしておく。

2-2. ライティング設定

CoronaメニューからCorona Skyを選ぶ操作。メニューにはCorona Sun・Corona Light・Corona Proxy・Corona Camera・Multi-Pass・Interactive renderingなどが並ぶ

今回は窓からの環境光のみのライティングでシンプルな構成です。
coronaメニューから「corona Sky」を選択します。設定はデフォルトのままでOK。

2-3. カメラ設定

カメラオブジェクトを右クリックしてCoronaタグ>Corona Cameraを追加し、CoronaメニューからInteractive renderingを起動する操作

カメラオブジェクトを選択して右クリックから、Coronaタグ>「Corona Camera」を選択。
Coronaメニューから、「Interactive rendering」を選択してCoronaVFBウィンドウを起動してカメラの詳細設定を行う。

CoronaVFBのTONE MAPPINGでHighlight compressを変えた比較。左は1.0で黄色い矢印の窓まわりや椅子にハレーションが出ており、右は5.0で落ち着いた階調になっている

デフォルトの設定でレンダリングしたのが左の画像になります。黄色矢印部にハレーションが起きてしまっているのでNG。
VFB右上の「post」タブより「TONE MAPPING」を開いて「Highlight compress」の値を1.0から5.0に変更。
右画像のように落ち着いた雰囲気になった。

CoronaVFBのTONE MAPPINGでContrastを変えた比較。左が1.0、右が5.0で、Highlight compressを5.0にして眠くなった画像が締まっている

Highlight compressの値を大きくすると、ハイライトを調整できる代わりに画像全体がぼやっとしてしまうので
コントラストの値を大きくしておく。

CoronaVFBのTONE MAPPINGでWhite balanceを変えた比較。左が6500K、右が8000Kで、画面全体の青みが取れて暖かい色になっている

White balanceパラメーターで画像全体の青っぽさを解決するために6500ケルビンから8000ケルビンへ変更。
この値はマテリアルを設定した状態にも影響するのでとりあえずで設定しておき、後ほど再度調整する。

CoronaVFBのTONE MAPPINGでExposure(EV)を変えた比較。左が-1.0で暗く沈み、右が1.0で室内全体が明るくなっている

光の強さを調整せずにシーンを明るくするには、Exposure(EV)の数値でコントロールする。
V-rayではカメラのISO、シャッタースピード、Fストップ等のパラメーターを介して行われるが、このEV値による明るさ調整はとても簡素化されてわかりやすく、制御が容易である。

カメラ設定を終えた段階のクレイレンダリング。窓からの光だけで照らされた縦長の部屋、サイドテーブルの鉢植え、デスクと椅子、壁の枝のオブジェ

3. マテリアル設定

マテリアルを適用した完成イメージ。左がワイヤーフレーム重ね、右が仕上がりで、白い壁と天井、木目の床とデスク、革張りの座面の椅子

次はCoronaRenderを使用したマテリアル設定を解説していく。

3-1. 壁・天井のマテリアル

壁・天井マテリアルの設定。左のDiffuseはHSVのV85%のみ、右のReflectionはフレネルIORのValue1.3、GlossinessのValue0.6、Anisotropy0.5

住宅の壁・天井の素材は基本、ビニルクロスかAEPという水性塗装のものがほとんど。
色だけ設定したマテリアルでも問題ないが、テクニックを含め少しアレンジをして紹介していく。

まず色[Diffuse]はHSVのVを85%にするだけに設定。
[Reflection]のフレネルIOR・valueを「1.3」、Glossiness・valueを「0.6」にして気持ち反射がある程度に設定する。

壁・天井のBumpにノイズを設定する操作。Strengthは10%で、Textureのプルダウンからノイズを選び、シェーダ属性で全体スケールを1%、ノイズの種類はNoise、シード665にしている

[Bump]をオンにしてstrengthは10%のまま。texture横のボタンを押して「ノイズ」を選択。
詳細設定より、全体スケールを1%にする。ほんの少し細かい凹凸がある雰囲気を狙って設定している。

このマテリアルを壁・天井オブジェクトに適用して、立方体で投影。
その時、Bumpで設定したノイズがどのくらいの大きさで反映されているかわからないだろう。確認方法を紹介する。

Bumpのノイズの大きさを確認する方法。ノイズをDiffuseにコピーして他のチャンネルをオフにし、PreviewのViewport preview sizeを2048×2048に設定している

Bumpに設定したノイズをDiffuseにコピペして、その他のチャンネルをオフにする。Preview項目よりビューポートでの表示サイズを1024×1024~に設定。

Bumpに設定したノイズの見え方の比較。左がビューポート表示、右がレンダリング結果で、壁面に細かい凹凸が入っている

左がビューポート・右がレンダリングした画像になる。Bumpで反映されるノイズの大きさは現状で問題ないと確認できたので元の設定に戻す。

ReflectionやDisplacementで設定したテクスチャの投影がどのくらいの大きさになるのかの確認は必須である。

3-2. 床のマテリアル

床に使う無料テクスチャの紹介ページ。「21457 - Wood floor PBR texture seamless DEMO」4096×4096px・144.5×144.5cmで、DIFFUSE・DISPLACEMENT・NORMAL・SPECULAR・AOのマップが含まれる
床テクスチャに含まれる各マップのプレビュー。左からDisplacement、Specular、Normal、Ambient occlusionの4枚が並ぶ

床にフローリングのマテリアルを設定していく。
いつもの「SketchUp TEXTURE」より上図の無料テクスチャを利用。

今回は、木目をつぶしたウレタン塗装のような雰囲気を出そうと思う。Diffuseチャンネルの方で少しアレンジが必要なので説明していく。

床のDiffuseチャンネルをレイヤーで構成する操作。Textureのプルダウンから「レイヤー」を選び、シェーダタブでビットマップとカラーを重ねる。カラーはH32.308°・S0%・V70%

フローリングの色となるカラーに「ambient occlusion」画像をブレンドしてDiffuseチャンネルを構成する。
Texture横矢印より「レイヤー」を選択。シェーダータブよりカラーを「H:43°・S:10%・V:80%」で設定。

床のDiffuseにアンビエントオクルージョン画像を重ねる設定。カラーはH43°・S10%・V80%、レイヤーには20_Wood floor PBR-AO.jpgのビットマップを乗算30%、カラーを通常100%で配置

レイヤーの画像タブよりアンビエントの画像を読み込んで、乗算30%でブレンドする。
Diffuseの設定はこれで完了。

床のBumpとDisplacementの設定。BumpのTextureはcorona>Normalを介してノーマルマップを読み込みStrengthは10%。DisplacementはMax level 1cmで20_Wood floor PBR_DISPL.jpgを指定

次にBumpチャンネル。
ダウンロードしたファイルはノーマルマップだったので、[corona]>[Normal]を一度介してから読み込む。
Strenghtは10%のまま。

Displacementは指定の画像を読み込んで、[Max level]を「1cm」に変更しておく。
この数値は設定した画像にも依存するので、レンダリングして確認しながら決めていく。(1cmでは効果が薄かったので2cmにした)

床のReflectionチャンネル。フレネルIORのValueを2にし、GlossinessのTextureに擦れ感を出すDirt02.png(2500×2500)を指定。右にそのグレースケール画像

最後にReflectionチャンネルを設定する。
ウレタン塗装の擦れ感を表現するためにGlossinessのテクスチャを上右のような画像に設定した。
これでフローリングの設定は完了。

3-3. その他のマテリアル

窓枠、サッシや巾木に反映するグレージュのラッカー・白の粉体塗装・白のアルミ系、窓のガラスマテリアルを設定していく。

サッシに使う白アルミ系マテリアル。DiffuseのカラーはV80%、ReflectionのフレネルIOR1.52、Glossiness0.9、マテリアル名はWhite glossy

サッシに適用するアルミ系・白のパラメーター。
カラーをV:80%にして、ReflectionのGlossinessを0.9に設定したシンプルな構成。

グレージュのラッカー塗装と白の粉体塗装の設定。左はGlossiness0.75、右はPowderという名前でカラーV70%、フレネルIORのValue2、Glossiness0.6

グレージュのラッカー塗装の設定は、カラーH:32°S:10%V:70%・Reflection Glossiness:0.75。
粉体塗装は、カラーV:80%・Reflection IOR:2 Glossiness:0.6。

窓枠・巾木にグレージュラッカー、サッシに白アルミ、窓のハンドルに粉体塗装マテリアルをそれぞれUVWで適用。

ガラスマテリアルの設定。Diffuseをオフにし、ReflectionとRefractionだけをオン。どちらもIOR1.52、Glossiness1で、Refraction behaviorのCausticやThinはすべてオフ

ガラスはシンプルにDiffuseチャンネルをオフにしてReflectionとRefractionチャンネルをオンにしただけのもの。

3-4. 家具のマテリアル

最後に家具に適用するマテリアルを作成していく。

3-4-1. 木目

家具に使う木目の無料テクスチャ紹介ページ。「007 - wood grain texture seamless DEMO」2500×2500px・88×88cmで、DIFFUSE・DISPLACEMENT・NORMAL・SPECULAR・AOのマップ入り
木目テクスチャに含まれる各マップのプレビュー。左からDisplacement、Specular、Normal、Ambient occlusionの4枚が並ぶ

今回も「SketchUp TEXTURE」より上図の無料テクスチャを利用。
同じ木目で明るさの異なる2種類を用意していく。

木目マテリアルのDiffuseとReflection。DiffuseはH32°・S0%・V80%に07_wood grain PBR texture_DIFF.jpgをMix strength80%で重ね、ReflectionはフレネルIOR1.52、Glossinessに_SPEC.jpgを指定
木目マテリアルのBumpとDisplacement。BumpはCoronaのNormalシェーダ経由で_NORM.jpgを読み込みMethodはTangent、DisplacementはMax level 0.3cmで_DISPL.jpgを指定

[Diffuse]・[Reflection]は適合テクスチャを読み込み、[Bump]はCoronaノーマルを介して、[Displacement]はmaxlevelを0.3cmに設定。

一段明るい木目マテリアルの作り方。DiffuseのカラーをV80%の白にし、木目テクスチャのMix strengthを50%にしてブレンドしている

もうひとつ一段階明るい木目をつくる。[Diffuse]チャンネル・カラーのVを80%の白色にして、テクスチャの[Mix strength]を50%にする。これでV80%の白と読み込んだ木目のテクスチャ50%をブレンドしたマテリアルになる。

3-4-2. レザー

家具に使うレザーの無料テクスチャ紹介。左がプレビュー1350×900px、右がフル解像度デモ5760×3840px・72dpiで、いずれもシームレスの茶色い革

こちらも「SketchUp TEXTURE」の無料素材より利用して明るさ違いの2種類つくる。

レザーマテリアルの設定。Diffuseに2_leather texture-seamless.jpg(1350×900)を読み込み、ReflectionのフレネルIORを2、Glossinessを0.6にしている

ダウンロードできるファイルは1枚のみなので、[diffuse]チャンネルで読み込む。
[Reflection]チャンネルでIORを2、Glossinessを0.6に設定。

レザーのBumpに壁と同じノイズを適用する操作。Strength10%でTextureにノイズを選び、シェーダ属性の全体スケールを1%、シード665にしている

気持ち追加の効果として、壁のマテリアルでも行ったノイズのBumpをこちらにも適用。
レザーのマテリアルはこれで完成です。木目同様少し明るいレザーも作っておく。

明るいレザーマテリアルの設定。DiffuseのカラーをH50°・S10%・V100%にし、レザーテクスチャのMix strengthを85%でブレンドしている

今回は色の方も若干変更して、上記条件でブレンドした。

3-5. マテリアルを適用

マテリアル適用後のデスク周りの拡大。木目の天板に本2冊と白いマグカップ、下にグレーの棚板、手前は革張りの座面と木の背板の椅子

用意したマテリアルをそれぞれオブジェクトに適用していきます。投影方法はすべて「立方体」で行う。

テーブル : 濃い木目+粉体塗装+薄いレザー
イス : 薄い木目+粉体塗装+濃いれレザー
巾木 : グレージュ塗装
床 : フローリング


窓枠・ケーシング枠 : グレージュ塗装
サッシ : アルミ白
サッシハンドル : 粉体塗装

マテリアル適用後の窓まわりの見下ろし。グレージュ塗装の窓枠とケーシング、白いサッシ、木のサイドテーブルにサボテンの鉢、木目のデスクに本が置かれている
マテリアルをすべて適用した縦長構図のレンダリング。白い壁と天井、明るい木目の床とデスク、革座面の椅子、サボテンの鉢、壁面に枝のオブジェ

マテリアルの設定は以上になる。

4. ポストプロダクション

ポストプロダクション前のレンダリング。左がワイヤーフレーム重ね、右が仕上がりで、窓からの光が白い壁と木目の家具を照らしている

Cinema4dとPhotoshopを利用したポストプロダクションの方法を解説していく。

4-1. カメラのホワイトバランスを調整

とりあえずのカメラ設定で、ホワイトバランスを「8000ケルビン」にしておきましたが若干青みを感じたので最終的に「9000ケルビン」でレンダリングすることにした。

ホワイトバランスの最終比較。左が8000K、右が9000Kで、Exposure -1.0、Highlight compress 10.0、Contrast 3.0、Vignette intensity 0.20は共通
左 : 8000ケルビン 右 : 9000ケルビン

4-2. Coronaマルチパスの設定

photoshpで調整することを目的に効果を分けてレンダリングする。

通常主に利用しているのが
「Reflect」・・・反射が物足りない場合があるので 主に外観時
「Shadow」・・・影が濃すぎる場合が多いのでこちらで薄くする
「AO」・・・アンビエントオクルージョンを追加するため
「Material ID」・・・適用マテリアルでマスクが設定できるため
「object ID」・・・オブジェクトバッファで指定したもののマスクが設定できるため
以上を別途書き出す。設定方法を説明する。

Corona Multi-Passウィンドウ。Available passesのBasic>ReflectとShading>Shadowsを赤枠で示し、矢印ボタンでActive passesへ追加した状態

Coronaマルチパスウィンドウより追加したい効果を「Pass Type」より選択して「>」をクリックでActive Passesに反映。

マルチパスにMaskを追加する操作。Available passesのMask>Maskを選ぶとActive passesにObject buffer IDが加わる。右でModeはMonochromatic、Object buffer IDにチェックを入れて1を指定

「Available passes」よりMaskを選択・追加、右ウィンドウ中段より「Object buffer ID」をチェックして適当な数字を入れる。

書き出したいオブジェクトに右クリックでCoronaタグ>Corona Compositingを追加する操作。タグのObject BufferタブでEnableをオンにしBuffer 1を指定、Enabled object buffer IDsは1

オブジェクトレイヤーより、選択範囲として書き出したいオブジェクトを選択右クリックから[Coronaタグ]>[Corona Compositing]を追加。「Object Buffers」のEnableチェックをオンにして数字をマルチパスと一致させればOK。

マテリアル側でマスクIDを指定する設定。壁・天井マテリアルのAdvancedを開き、Advanced optionsのMaterial IDを1にしている
マルチパスにMaterial IDのマスクを追加した状態。Active passesにReflect・Shadows・Object buffer ID・Material IDが並び、Monochromatic欄でMaterial IDにチェックを入れて1を指定

マテリアルについても同様の設定で選択範囲が書き出せる。

書き出したマスク画像2枚。左はObject bufferタグによる床のマスク、右はマテリアルIDによる壁・天井のマスクで、いずれも白黒のシルエット
左 : Object bufferタグで床マスク書き出し 右 : マテリアルIDで壁・天井のマスクを書き出し
アンビエントオクルージョンのパスを追加する操作。Pass TypeのTexmapを選び、右のMapプルダウンからcorona>AOを選択している

アンビエントオクルージョンは少しわかりづらい。
Pass Typeより「Texmap」を選択+追加。右ウィンドウのMapより[Corona]>[AO]を選択する。

AOシェーダの設定。Apply denoisingにチェックが入り、Occluded colorは黒、Unoccluded colorは白、Max distanceは10cm、Max samplesは50、Calculate fromはOutside

タブをクリックするとシェーダーの設定ウィンドウが開くので、「Max distance」を適当な数値にすればOK。

マルチパスの説明は以上になる。
今回はとてもシンプルなシーンの構成なので、AOと床・濃い木目の選択範囲のみを書き出す。

以後、レンダリング後Photoshopでの操作解説になる。

4-3. アンビエントオクルージョン画像の利用方法

アンビエントオクルージョンの反映方法ですが、注意が必要。
プロの制作した建築パースでもたまに、AOをうまく利用できずに汚い画像になってしまっているのを見かける。これから解説する方法を適用すればだいぶ改善される。

AO画像の重ね方の比較。左は乗算100%でブランケットが汚れて見え、右はスクリーン+乗算100%でベース画像の色を保ったまま自然な陰影が付いている

参考画像を用意した。AO画像を乗算でそのまま投影したものが左。特にブランケットが汚れた感じになってしまっている。

右は今回紹介するAO画像スクリーン+ベース画像を乗算で乗せる方法。
ほんの少しの違いだが、ベース画像の色を反映しながらシャドーが追加されるので自然な雰囲気が保てる。
実際に今回のシーンで解説していく。

Photoshopのレイヤーパネル。グループ1の中にAOレイヤーと背景のコピーを入れ、AOレイヤーの描画モードをスクリーン・不透明度100%にした状態。画面は真っ白に飛んでいる

レンダリングした背景画像をコピー(⌘+J)してAO画像と同じグループに。そのAO画像を「スクリーン」で投影する。
あとは一緒にしたグループの投影を乗算にするだけである。↓

AOを重ねたグループの描画モードを乗算100%に変えた状態。壁と床に自然な陰影が戻り、デスク下やサイドテーブルの脚元が締まって見える
AOの反映方法の比較。左がAO乗算のみ、右がAOスクリーン+グループ乗算で、右のほうが木目や壁の色を保ったまま陰影が付いている

左がAO乗算のみ、右がAOスクリーン+グループ乗算を適用したもの。

4-4. カラールックアップ

アンビエントオクルージョンを追加すると画像全体が若干暗くなる。明るさを補うために「カラールックアップ」を適用。(シンプルなシーンなので明るさ・コントラストでの調整でも問題はない)

カラールックアップについては詳細記事がこちらにある
>>カラールックアップ・レタッチテクニック

カラールックアップを適用する操作。3D LUTファイルに「Kodak 5218 Kodak 2383 (by Adobe)」を選び、カラールックアップ1レイヤーの描画モードは通常・不透明度50%

レイヤーウィンドウの右下マークのクリックからカラールックアップを選択、専用レイヤーが追加。
プロパティウィンドウからLUTファイルを選ぶ。私は「Kodak 5218 kodak 2383(by Adobe).cube」がお気に入りで多用しているが、効果が少し強めなので不透明度を50%にして調整している。

4-5. その他の微調整

床とテーブルの木についてはマスク画像書き出しの設定をした。
カラールックアップを適用したので床の色の薄さが気になったので調整を行う。

床だけを調整するマスクグループの設定。グループ2に床のマスクを入れ、中のカラーバランス1は中間調でシアン-レッド+3・イエロー-ブルー-3、明るさ・コントラスト2は明るさ-10

床のマスク画像をチャンネルレイヤーに読み込み、そのサムネイルを⌘+クリック。レイヤーに戻ってグループを追加して床のマスクを反映させる。

この準備によってグループ内に入っている効果は床の選択範囲内に適用される状態ができた。
少し複雑な方法だが、変更等が起こった時に背景画像を入れ替えるだけで効果が反映されるので、間違いが起こりにくくおススメである。

今回は床の明るさを若干暗くして、カラーバランスで調整した。

4-6. まとめ

最後に全体に明るさ・コントラストの明るさを+10適用して完成となる。

ポストプロダクションを終えた完成パース。窓からの自然光が入る縦長のワークスペースで、明るい木目の床とデスク、革座面の椅子、サボテンの鉢、壁面の枝のオブジェ

5. まとめ

以上がシンプルなインテリアシーンのパース制作工程(Cinema4D+ChaosCorona)になる。
室内の要素(壁床天井、家具など)を最低限、マテリアル・ライティングもシンプルなものにして把握しやすい内容にしている

インテリアは比較的簡単にリアルなCGが制作できるので、以上のやりかたを参考に応用すれば、多くのシーンにおいて対応できるだろう。

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