【3DCGを学ぼう】レンダリングとはなにか【建築パース制作】

目次

1. レンダリングとは?

レンダリングとは、プログラミングを利用してデータから音声や画像を生成する一連の作業のこと。ゲーム・音楽・映像制作・プロダクトデザイン・建築など様々な分野で利用されている。

映像制作では、動画に加えたエフェクト・字幕や音楽などを1つの動画として統合するためにレンダリングを行い、音楽業界でも楽器や効果音を組み合わせ一つの楽曲にする際に必要な工程だ。

実はwebサイトも、HTMLファイルなどのデータをもとにレンダリングされて、閲覧できる状態のページとなる。

2. 3DCG業界におけるレンダリングとは?

3DCGにおいては、レンダリングが活発に行われる業界の一つである。
モデリングによって生成した形状データに、マテリアルとよばれる質感を設定・光源を配置した後、それらを総合的に計算して最終イメージの画像化を行う。これは現実世界のカメラ撮影を想像してもらえるとわかりやすいだろう。

レンダリングに使用されるソフトウェアをレンダラーとよび、生成される画像イメージのタイプによって使用するレンダラーも変わってくる。

レンダリングにはレイトレーシングやスキャンライン法などあるが、現在、多くのレンダリングプログラムではそれらを進化させた物理ベースレンダリング(PBR/Physical Based Rendering)が主流となっており、そのPBRの概念が3DCGの基本となっている。

PBRについては詳しくこちらの記事で解説している。参考にしていただきたい。
>>【3DCGを学ぼう】PBR・テクスチャとマテリアルの解説【建築パース】

3. 建築パース制作におけるレンダリングとは?

建築パース制作におけるレンダリングとは、上で説明している3DCGにおけるものとほぼ同じである。
設計図をもとに形状を立体化し(モデリング)、タイルや木などの質感を設定して(マテリアル)、光を当てたものを(ライティング)レンダリングして2次元の画像化する。

そして出来上がった画像を日本では、パース・建築CG、建築パースとよぶ。海外ではその物自体を名称としてレンダリングとよぶことがある。

レンダリングを行う際は、その用途によって書き出す画像のピクセルサイズが重要になる。
印刷とレンダリング画像サイズについてはこちらの記事で解説しているので確認していただきたい。
>>【建築パース】これで解決!画像解像度と印刷サイズの関係【3DCG】

4. リアルタイムレンダリングとは

リアルタイムレンダリングとはその名の通り、リアルタイムに画像解析・生成の計算が行われるレンダリング技術のことである。CPUよりも数倍の処理速度を持つGPU(半導体チップ)によって行われ、ユーザーがレンダリング画像をインタラクティブに操作するゲーム業界で多く利用される。

操作を目の前の映像へ直接反映できるため、臨場感あふれる世界を実現できる。しかし、瞬時に膨大な計算処理を行うことが難しいので、画質については通常レンダリングに比べ劣る。

よりクオリティの高い画像や映像が必要な場合は、通常のレンダリング(プリレンダリング)によって生成される。これらは事前に計算されたグラフィックのことで、映画などの映像を想像してもらえばわかりやすいだろう。

ゲームの世界で、実際に操作する場面とシーンによって流れる映像クオリティの違いを思い出してもらえるとわかりやすい。

5. 建築×リアルタイムレンダリング

建築パース制作の現場では、その都度レンダリングして不具合がないか確認していた作業が、リアルタイムに見れて確認できるので作業効率はだいぶ向上している。(リアルタイムプレビュー)

またゲームエンジンを利用することで、制作した建築物の世界を動き回ることができたり、素材の変更を瞬時に反映することができる疑似体験を提供可能となった。

この技術は不動産業界で多く見られ、プリレンダCG技術の360°VRとインタラクティブ性のあるリアルタイムCG技術を組み合わせた販売促進ツールとして利用されている。

6. レンダリングとはなにか まとめ

以上がレンダリングについての説明である。

自分の接する分野以外でも、普通に用いられてることは意外だったかもしれない。
日々、レンダリング技術が開発・進化していき、様々な場面で利用されてきている。

3DCGの分野でも、PBR、GPUなど新しい価値観と手法が確立され、大きな変化となっているのが現状だ。

次の記事では、実際にレンダリングを行う「レンダー」について解説していく。
新しい技術と変化が垣間見れると思う。

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>>【3DCGを学ぼう】レンダラーを紹介【建築パース制作】

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