3dsMaxとは?プロの建築パース制作者の目線で特徴を紹介

3ds Maxが建築やCG制作の現場で広く利用されていることは、多くのプロフェッショナルたちが認めるところである。しかし、この強力なソフトウェアの全貌を知る人はまだまだ少ないかもしれない。

この記事では、3dsMaxの基本的な概要から価格、さまざまな学習方法、そして導入のメリットやデメリットに至るまで、幅広く解説していく。

特に、建築パース制作におけるその有用性に焦点を当て、豊富なモデリング、強力なレンダリングエンジン、さらには幅広いプラグインの活用についても解説する。

これから3dsMaxを学びたい初心者から、さらにスキルを磨きたい利用者までに、役立つ内容をお届けしていく。読み終える頃には、3ds Maxの魅力とその無限の可能性を感じ取っていただけるはずだ。

目次

1. 3ds Maxの基本概要

まずは3dsMaxの基本情報をおさえておこう。

1-1. 3dsmaxとは

3dsMaxはAutodesk社によって開発された、業界をリードする3Dモデリング、アニメーション、レンダリングソフトウェアである。このソフトウェアは特に建築ビジュアライゼーション、ゲーム開発、映画制作の分野で広く使用されており、その高度な機能とユーザーフレンドリーなインターフェイスが高く評価されている。3ds Maxを用いることで、ユーザーは複雑な形状のモデリング、リアルタイムの3Dアニメーション、高品質なイメージのレンダリングを行うことができる。

1-2. 価格は?

サブスクリプション制度を採用。2024年2月の時点では以下のとおり
¥286,000(税込)/1年間 ¥36,300(税込)/1ヶ月 ¥858,000(税込)/3年間  と非常に高額である。

1-2-1. 学生版は?

学生や教育機関に対しては3dsMaxの学生版が提供されている。このバージョンは教育目的に限定されており、無償で利用可能である。

>>詳細はこちらから

1-2-2. 無償体験版は?

30日間の限定で、すべての機能が体験できる無償版が提供されている。

>>詳細はこちらから

1-2-3. インディー版は?

2020年8月よりすべての機能をリーズナブルな価格で利用できるインディー版が発表されている。

■対象者:
・ クリエイティブ制作による年間総収入が 1,500 万円未満であること
・ お客様は 10 万米ドルを超えるプロジェクトでライセンスを使用することはできません
・ 1 ユーザーまたは 1 組織につき 1 本のライセンスのみを使用すること

これらの条件を満たすことで、¥42,900(税込)/1年間 で利用することができる。
ソフトウェアの習得にこの期間が割り当てられるのは非常にありがたい。

>> 3ds Max Indie(Autodesk 日本語公式サイト)

1-2-4. サブスクリプションと永久ライセンス

3dsMaxはサブスクリプションで提供されており、ユーザーは年間または月間の契約を通じてソフトウェアを利用できる。この定期購入モデルには、常に最新バージョンのソフトウェアへのアクセス権、サポートサービス、特定のクラウドサービスへの利用権が含まれている。過去には永久ライセンスの提供もあったが、現在Autodesk社は主にサブスクリプションモデルを推進している。

2. 3ds Maxの学習方法

3dsMaxを学ぶには様々なものがあり、自身の学習しやすさや必要な費用に応じて選択しよう。

2-1. 書籍

「世界一わかりやすい3ds Max 操作と3DCG制作の教科書」

3dxMaxを扱う基本的な情報が丁寧に記載しており、まずは目を通しておきたい一冊。基本的なモデリング方法、マテリアル設定、レンダリングの他にアニメーションに至るまでの全工程を詳しく説明している。
豊富な図版とわかりやすい説明で、3ds Maxの基礎をしっかりと学びたい人に最適。

3dsMax自体が比較的難解なソフトなので、多くを望まず表紙にあるように基本の「き」を理解するにはよい書籍である。

「超入門Autodesk 3ds Max建築ビジュアライゼーション 」

建築パース制作を目的に3dsMaxを学びたい場合はドンピシャな内容である。

住宅外観のモデリング~マテリアル設定~レンダリング~ポストプロダクションの一連の解説と、簡単な家具・インテリアについての構成。一部難解なところもあるが、建築パース制作に必要な技術を系統立てて学ぶことができる実践的なガイドとなるだろう。

2-2. Webサイト

■ 株式会社Tooさんが提供している概要から操作~までの基本的な内容を網羅した入門動画

■ AERA JAPANが提供するムービーコラム。CGアーティスト・高畑 真澄氏解説の解説がとてもわかりやすい。

やさしい3ds Max -はじめての建築CG-」

>>「やさしい3ds Max -はじめての建築CG-」
>>「たのしい3ds Max -わくわく建築CG-」

■ オートデスク株式会社・吉田 将宏氏の解説動画

第2回:超シンプルにつくる「昼下がりのキッチン」その②モデリング

>>第1回:超シンプルにつくる「昼下がりのキッチン」その①プロローグ
>>第2回:超シンプルにつくる「昼下がりのキッチン」その②モデリング
>>第3回:超シンプルにつくる「昼下がりのキッチン」その③ライト・カメラ・マテリアル
>>第4回:超シンプルにつくる「昼下がりのキッチン」その④小物の配置とレンダリング設定編

弊社記事でも3dsMaxを用いた住宅外観モデリングを解説している。

2-3. 短期オンライントレーニング

費用がかかってもよいから、出来るだけ早く基本操作を習得したいという方はこちらを検討しよう。2~3日程度で3dsMaxの基本が学べる。

Too 3dsMaxトレーニング

コース名価格(税込)/1名様あたり
3ds Max 基本トレーニング 2日間コース (Day1,2)(連続した2日間のコース)66,000円
3ds Max 基本トレーニング 3日間コース (Day1,2,3)(連続した3日間のコース)99,000円
3ds Max 基本トレーニング 追加アニメーションDay(Day1,2受講済みの方が対象)33,000円
株式会社 tooさん コース紹介ページより

>>詳細はこちら

大塚商会 3dsMax 速習コース

コース名価格(税別)/1名様あたり
3dsMax 速習コース/2日間77,000円

>>詳細はこちら

2-4. オンラインスクール

時間をかけてじっくり3dsMaxを学びたい方には、プロのクリエーターが解説・指導してくれるオンラインスクールを検討してみよう。

■ 3DCGクリエイター講座 [3ds Max]/デジタルハリウッド

受講期間約8ヵ月(35週間)
お支払い手続き完了後は、すぐに受講開始となります
授業形式動画:約94時間
受講料322,300円(税込)
デジハリONLINEより

>>詳細はこちら

2-5. 海外YOUTUBEチャンネル

3dsMaxの基本操作を把握して、ある程度のモデリングができるようになったらこちらのyoutubeチャンネルをお勧めする。
お題の家具は比較的シンプルなものが多く、初級~中級程度の作りこみ方法を学ぶことができる。
Training model 3ds max

だいたいの家具モデリングが出来るようになり、もうワンステップスキルの向上を望む場合は、こちらのチャンネルをお勧めする。すべてのクオリティが非常に高く、長時間の解説動画もある。モデリング方法の解説動画販売も行っており、こちらのWebサイトからメールで問い合わせする形で購入が可能となる。
artem gogolov

建築ヴィジュアライゼーションの話題を総合的に取り上げ解説してくれているチャンネル。専用サイトでV-ray、coronaに対応したトレーニング動画を販売している。
Arch Viz Artist

3. 3dsMaxを導入するメリット・デメリット

3ds Maxの導入に際しては、その利点と欠点を把握することが必須である。以下に、3ds Maxの導入における主要な利点と欠点をまとめる。

3-1. メリット

最高峰のレンダリング豊富な学習リソース柔軟なプラグイン

最高峰のレンダリング
3ds MaxはV-Ray、CornaやArnoldといった強力なレンダリングエンジンと互換性があり、非常にリアルなビジュアライゼーションを生成できる。これらのレンダリングエンジンは光の反射、影、質感など細かい現象を精密に再現できる。

豊富な学習リソース
3ds Maxは幅広いユーザーを持ち、インターネット上には数多くのチュートリアル、フォーラム、動画が存在する。これらのリソースを利用することで、新しい技術の習得や問題解決が容易になる。

柔軟なプラグイン
3ds Maxは様々なプラグインに対応しており、機能拡張が可能である。Forest PackやRailCloneなどのプラグインは特定の作業を効率化し、生産性を向上させる。

3-2. デメリット

習得までの難易度が高い非常に高いコストシステム要件

習得までの難易度
3ds Maxは豊富な機能と高度なカスタマイズ性を持つため、習得には多くの時間と経験を要する。初心者は基本操作から始め、時間をかけて徐々に複雑な技術を学んでいく必要がある。

コスト
3ds Maxはサブスクリプション制を採用しており、定期的に使用料が発生し、3DCGソフトの中ではかなりの高額である。これは個人ユーザーや小規模企業にとって、大きな導入障壁となる。

システム要件
3ds Maxをスムーズに動作させるには、高性能なコンピューターが必要である。特に複雑なシーンをレンダリングする場合は、高いグラフィック処理能力と大量のメモリが必要となり、高額なハードウェアが必要となる。

4. 3ds Maxが建築CG制作で重宝される理由とは?

3dsMaxが建築CG制作で重宝される理由は、その圧倒的なレンダリングの美しさと高い互換性にある。以下で、3ds Maxが建築CG制作においてなぜ欠かせない存在であるのかを詳しく掘り下げていく。

4-1. 豊富なモデリングツール

3ds Maxの豊富なモデリングツールは、建築ビジュアライゼーションの分野で非常に有用である。これらのツールを使うことで、あらゆる形状や構造を正確かつ効率的に3Dモデルとして表現することが可能になる。以下では、3dsMaxが提供する主要なモデリングツールについて解説する。

4-1-1. ポリゴンモデリング

ポリゴンモデリングは3dsMaxの中核をなすモデリング手法で、直感的な操作性と高い柔軟性を兼ね備えている。ポリゴンは3D内での形状を構成する基本単位であり、頂点(Vertex)、エッジ(Edge)、面(Face)を操作することで、複雑な形状やディテールを作成できる。建築ビジュアライゼーションでは、建物の外観や内装、家具などの細かなディテールまで、この手法を使ってモデリングすることが一般的である。

4-1-2. スプラインモデリング

スプラインモデリングは、曲線や曲面を基にしたモデリング手法。スプラインとは、点と点を滑らかな曲線で結んだもので、この曲線を利用してオブジェクトの形状を定義する。建築ビジュアライゼーションでは、複雑な曲面や特定のデザイン要素を表現する際に有効で、例えば曲がった壁や特殊な形状の屋根などを作成するのに適している。

4-1-3. モディファイヤ

3ds Maxでは、オブジェクトに対してさまざまな「モディファイヤ」を適用することで、形状や特性を変更できる。例えば、ベンド(曲げる)、ツイスト(ねじる)、テーパー(細くする)などのモディファイヤを利用することで、オブジェクトの形状を柔軟に変更できる。また、サブディビジョンサーフェスを適用することで、ポリゴンメッシュを滑らかにすることも可能。

4-1-4. パラメトリックモデリング

パラメトリックモデリングは、オブジェクトの特性を数値やパラメータで定義し、それに基づいて形状を生成する手法。例えば、窓のサイズや形状、配置間隔などをパラメータで制御することで、設計の変更が起こった場合に、即座に対応できるようになる。3ds Maxには、RailCloneのようなパラメトリックモデリングを強化するプラグインもあり、さらに高度なモデリングが可能だ。

これらのモデリングツールを駆使することで、3dsMaxユーザーは建築ビジュアライゼーションにおけるあらゆるニーズに対応することができる。豊富なモデリングオプションにより、リアリスティックで詳細な3Dモデルの作成が可能となり、クライアントや関係者に対するプレゼンテーションの質を大きく向上させることができる。

4-2. 強力なレンダリングエンジン

建築CG制作において、最終的なビジュアル品質を左右する重要な要素がレンダリングエンジンである。3dsMaxは複数のレンダリングエンジンと互換性があるが、建築ビジュアライゼーション業界で主に利用されているのは、V-RayとCoronaの二つである。これらのレンダラーは、リアリズムとスピード感に優れ、建築物のビジュアル化において高い評価を受けている。

4-2-1. V-ray

ChaosGroup社のV-rayは、先進的なレンダリングエンジンで、建築ビジュアライゼーション、映画、ビジュアルエフェクト、アニメーション制作など、多岐にわたる業界で広く採用されている。その高度な計算アルゴリズムと物理ベースのライティング技術により、フォトリアルな画像やアニメーションを生成することができる。

業界標準の為、ユーザー数も多く、習得に必要な情報やコミュニティが充実している。
様々な分野で利用されている為、設定項目が広範で、表現方法も多様なので比較的難しく感じるだろう。

V-rayの主な特徴

アダプティブライティング: V-Rayのアダプティブライティング技術は、シーン内の光を効率的にシミュレートし、レンダリング時間を短縮しながら高品質な結果を提供する。
リアルタイムレンダリング: V-Rayのリアルタイムレンダリング機能、V-Ray Visionを使えば、デザインプロセス中にリアルタイムでビジュアルフィードバックを得ることができる。
多様なマテリアルとテクスチャ: V-Rayは、高度にカスタマイズ可能なマテリアルとテクスチャオプションを提供し、リアリスティックな表現を可能にする。

V-Ray Premiumの費用は年間で支払額¥106,800
レンダー1ノードあたり 年間¥29,500

>>詳細はこちら

4-2-2. Corona

こちらもChaosGrooup社の製品となり、比較的新しいレンダラーである。V-rayと異なり、建築ヴィジュアライゼーションの分野に特化していあるため、設定項目が少なく、比較的簡単に綺麗な画像をレンダリングできるのが特徴。

弊社での導入は5年以上前だが、ユーザー数が増え、以前に比べV-rayのユーザー数との差をあまり感じなくなった。
youtube動画や当メディア記事による紹介を参考にすれば、習得はそう難しくないだろう。

とにかく操作がわかりやすく、簡単に綺麗な絵が欲しいと思う方にはお勧めである。

coronaの特徴

インタラクティブレンダリング: Coronaのインタラクティブレンダリング機能により、マテリアルやライティングの変更をリアルタイムでプレビューしながら調整できる。
LightMix: LightMixを使用すると、レンダリング後に個々の光源の強度や色を調整できる。これにより、さまざまな照明シナリオを容易に試すことができる。
高度なマテリアルシステム: Coronaは、高度なマテリアルオプションを提供し、物理的に正確な表現(PBR)を可能にする

Corona Premiumの費用は年間で支払額¥74,400
レンダー1ノードあたり 年間¥21,400

>>詳細はこちら

4-3. 幅広いプラグイン

3ds Maxの機能を拡張し、ユーザーの作業を効率化するために開発されたプラグインは、このソフトウェアの大きな強みの一つである。これらのプラグインにより、建築ビジュアライゼーション、アニメーション制作、複雑な物理シミュレーションなど、様々な分野での作業が容易になり、ユーザーの創造性を最大限に引き出すことが可能になる。以下では、3ds Maxをよりパワフルにする主要なプラグインを紹介し、それぞれがデザインプロセスにどのように貢献するかを解説する。

4-3-1. Forest Pack

3dsMaxにて大量のオブジェクト(緑や石、葉っぱなど)を配置(スキャッター)する際に利用されるプラグインがForestPackである。
大量にオブジェクトを配置すると、作業性がとてつもなく悪くなるのでは?と思いがちだが、Proxy機能と組み合わせることで何万ポリゴンというシーンにおいても動作に悪影響をあまり及ばさない。かたちや大きさをランダムに配置できる機能によって、複雑なバリエーションをつくりだつことが可能で、よりリアルな自然が再現できる。

□ Forest Packの特徴

高度な散布機能
Forest Packを使用すると、植物、木、岩、建築要素など、任意の種類のオブジェクトを地形やオブジェクトの表面に大量に散布することができる。ユーザーは、散布されるオブジェクトの密度、分布パターン、向き、スケールなどを細かく制御でき、シーンに必要なリアリティと多様性をもたらすことが可能となる。
エリア制御
Forest Packでは、散布エリアを直感的に定義し、調整することができる。スプラインやオブジェクト、ペイントツールを使用して散布範囲を指定し、特定のエリアにオブジェクトを配置したり、除外したりすることが容易。また、エリア内のオブジェクト密度を変更することも可能で、細かいシーンの調整が行える。
ランダム化とカスタマイズ
オブジェクトのランダム化機能により、自然界のランダム性と多様性をシミュレートできる。Forest Packでは、オブジェクトのスケール、回転、色彩などをランダムに変更し、シーンに自然なバリエーションを加えることができる。これにより、手作業で配置するよりもリアルで自然な環境を作成できる。
パフォーマンスと効率性
Forest Packは、大量のオブジェクトを扱っても高いパフォーマンスを保持する。プラグインはプロキシ技術を使用してメモリ使用量を最適化し、レンダリング時間を短縮する。また、ビューポート内での表示精度を調整することで、作業中の応答性を向上させることもできる。
ライブラリとプリセット
Forest Packには、豊富なプリセットライブラリが含まれており、植物、木、岩などの高品質なモデルをすぐに使用できる。また、ユーザー独自のオブジェクトやプリセットを作成し、ライブラリに追加することも可能。

Forest Pack PRO 240€/年間
>>詳細はこちら

4-3-2. RailClone

こちらもForest Packを提供しているiToo社によるパラメトリックモデリングのプラグイン。Arrayモディファイヤの進化版といったところ。スプラインに沿ってオブジェクトを配置してくれ、複雑な意匠の手摺や、繰り返し配置される街灯など、手作業では時間がかかってしまう作業も簡単に対応できる。

□ RailCloneの特徴

ルールベースのパラメトリックモデリング
RailCloneはルールベースのアプローチを採用しており、ユーザーは「スタイル」と呼ばれる一連のルールを定義してオブジェクトを生成します。これにより、複雑な構造やデザインをシンプルな手順で作成でき、プロジェクトの変更や更新があった場合でも迅速に対応可能です。
多様なジオメトリ生成
RailCloneを使用すると、手すり、フェンス、窓、ドア、建築ファサードなど、反復的なパターンを持つあらゆる種類のジオメトリを作成できます。また、道路、橋、鉄道などの線形インフラにも対応しており、その適用範囲は非常に広いです。
セグメントとパス
RailCloneでは、モデリングの基本要素として「セグメント」と「パス」を使用します。セグメントはモデルの構成要素(例えば、柱、横木、窓枠など)であり、パスはこれらのセグメントが配置される軌跡や輪郭です。ユーザーは、パスに沿ってセグメントを自動的に配列させることができます。
高度なランダム化とカスタマイズ
RailCloneでは、セグメントのスケール、回転、位置をランダム化することができ、これにより生成されるオブジェクトに自然な多様性を持たせることが可能です。また、カラーバリエーションやマテリアルの割り当てにもランダム性を加えることができます。
パフォーマンスと効率性
RailCloneはインスタンシング技術を使用しており、大量のオブジェクトを生成しても3ds Maxのパフォーマンスに影響を与えることが少ないです。これにより、非常に大規模なプロジェクトでも効率的に作業を進めることができます。
広範なプリセットライブラリ
RailCloneには、事前に定義された多数のスタイルプリセットが含まれており、これらをプロジェクトに直接適用することができます。ユーザーはこれらのプリセットをカスタマイズすることも、独自のスタイルをゼロから作成することも可能です。

RailClone PRO 240€/年間
>>詳細はこちら

4-3-3. Chaos Phoenix

Chaos Phoenix はChaos Groupによって開発された、3ds MaxおよびMaya用の強力な流体動力学シミュレーションツールである。このプラグインは、水、煙、火、爆発といった現象をリアルにシミュレートし、ビジュアルエフェクト(VFX)、建築ビジュアライゼーション、広告など、様々な業界での用途に対応する。Chaos Phoenixは、その直感的な操作性と、高度なシミュレーション機能を備えていることから、アーティストにとって非常に有用なツールとされている。以下に、Phoenix FDの主な特徴と機能を詳しく説明する。

リアルな流体シミュレーション
Chaos Phoenixは、液体、煙、火などの流体の挙動をリアルにシミュレートするための高度なアルゴリズムを搭載している。このプラグインを使用することで、波や渦、滝、火災、煙など、自然現象を高いリアリズムで再現することが可能。
インタラクティブなプレビュー
Chaos Phoenixは、シミュレーションの設定変更にリアルタイムで反応し、即座に結果をプレビューすることができる。これにより、アーティストはシミュレーションの微調整を効率的に行い、望む結果を迅速に得ることができる。
粒子システムの統合
Chaos Phoenixは、3ds Maxの粒子システムと統合されており、流体シミュレーションに追加の詳細や効果を加えることができる。例えば、水しぶきや煙の粒子、燃える火花などをシミュレーションに追加することで、さらにリアリズムを高めることが可能となる。
ボリューメトリックレンダリング
Chaos Phoenixは、ボリューメトリックグリッドを使用して、煙や火、霧などの現象をレンダリングする。これにより、光の散乱や吸収など、複雑な光の効果を再現し、シーンに深みを与えることができる。
マテリアルとレンダリングオプション
Chaos Phoenixは、流体のシミュレーションに合わせて、煙や火、液体のマテリアルを細かく調整するオプションを提供する。また、V-Rayやcoronaとの高度な互換性により、シミュレーションを最適な品質でレンダリングすることができる。

>>詳細はこちら

5. 3dsMaxについてのよくある質問

3dsmaxを使えるようになるまで、どのくらい時間かかりますか?

この記事で紹介しているサイトや動画を参考に学習すれば、2~3か月である程度のCGは作成することができると思う。

他のソフトにくらべて、習得は難しいでしょうか?

情報が豊富にあるので学ぶのは難しくないが、操作性はクセのようなものがあるので慣れるまでに時間がかかるだろう。

コストは非常に高いですが、それを上回るメリットはありますか?

レンダリング画像の美しさは、高いコストに見合うほどと評価できると思う。

リアルなレンダリングを作成するにはどうすればいいですか?

V-ryaやcoronaといったサードパーティのレンダリングエンジンを採用しなければならない。

大規模なシーンのレンダリング時間を短縮するには?

オブジェクト数に比例してレンダリング時間は長くなってしまう傾向があるので、複数のパソコンでレンダリングが行える、ネットワークレンダリングやディストリビュートレンダリングの導入を検討するべきである。

大規模なプロジェクトでのメモリ管理のヒントは?

プロキシ機能の活用や、シーンクリーナーを利用して、常に負荷を軽減することが必要。3dsMax用のクリーナーとしては「Prune Scene」がおすすめである。

Macで3ds Maxは使用できますか?

残念ながらMacでは3dsMaxを利用できない。

サポート体制はどのようになっていますか?

予約制の電話サポートとメールでの対応がある。

6. まとめ

3dsMaxは、建築パース制作からアニメーション、ビジュアルエフェクト制作に至るまで、非常に高いポテンシャルを持つソフトウェアとして知られている。その圧倒的な機能性により、業界のプロフェッショナルたちからも一目置かれる存在であることは間違いない。その一方で、機能の多さが初心者にとっては高いハードルに感じられるが、その壁を低くするため、初心者向けのチュートリアルや講習会まで幅広く提供されており、3ds Maxを用いた作品制作に取り組みやすい環境が整備されている。

3ds Maxが多くのクリエイターに支持される理由の一つに、その圧倒的なレンダリング技術が挙げられる。フォトリアルなイメージの生成が可能であり、特に建築パース制作において最大の武器となる。緻密なディテール表現から自然な光の表現まで、3ds Maxはトータルでこれらを提供する。

しかしながら、習得には相応の時間と努力が必要であり、価格もそれなりに設定されているため、個人や小規模なスタジオにとって導入の決断は簡単ではない。検討の際には、事前のリサーチや試用期間を経て、自身の需要に合っているか慎重に検討することが推奨される。

  • URLをコピーしました!
目次