

導入を検討されている方
「ChaosCoronaの設定方法がよくわからない」
「これであってるのか不安だな・・・」
「もっとよい方法が知りたいのだが情報なさすぎる・・・」
そんなことに悩み・考えている方に向けた記事になる
今回ご紹介する内容は
読書さんへのメッセージ
ChaosCorona(旧CoronaRender)は直感的で簡単にフォトリアルなビジュアルを提供してくれるレンダリングエンジンである。しかし国内ではユーザー数が少なく、日本語による情報もほとんど見当たらないのが現状だと思う。
弊社では、ChaosCoronaの使い方をブログに何度か投稿してきた。
その都度質問をいただいてきたので、それらを10個に厳選し、まとめて回答していこうと思う。
建築CG用途による弊社の見解であるので、ご自身の目的に合わせて参考にしていただければと思う。
Q1
建築のヴィジュアライズならV-rayが主流だと思うのですが、なぜCoronaRenderを選んだのでしょうか。
弊社でも以前はV-rayによるレンダリングをメインに行っていました。リアルで高品質な画像を生成できる素晴らしいレンダラーではありますが、建築以外の用途で利用されることも多いため、設定項目が非常に多く難解でした。
当時DCCツールとしてCinema4Dをメインに利用してましたが、C4D版V-rayのバージョンアップは非常に遅く、3dsMax版等と比べると2バージョン程度の差がある状況でした。
そんな時、海外の建築CGではCoronaRenderというレンダラーが利用され、設定がとてもシンプルなのに品質の高いレンダリングが得られると話題でした。実際に使用してみて、その効果を体験でき、本格的に導入したというわけです。
Q2
レンダリング設定のノイズレベルはいくつに設定していますか?
ChaosCoronaは設定がシンプルです。レンダリング設定がデフォルトのままでもそれなりに綺麗なレンダリング結果が得られます。しかしどの程度綺麗にレンダリングするかの基準であるノイズレベルの設定は、一番悩むところだと思います。
公式が推奨しているノイズレベルの設定は「2%」です。
これは最終のレンダリングなど、フルクオリティが必要な場合です。とても時間のかかる設定で、ノイズレベルを2%にするには、3%に設定した場合の「2倍」時間がかかると言われています。
弊社では、制作の段階でのプレビューには5%+デノイザーを利用し、高い品質が必要な場合は最終レンダリングとしてノイズレベル2%を採用しています。その場合デノイザーは使いません。時間優先の場合稀に3%+デノイザーで最終レンダリングを行うこともあります。
Q3
デノイザーのモードは何を利用していますか?
それぞれのモードでは大きな違いが見られないのと、デノイザーをあまり重視していないので、一般的な「Corona High Quality」をAmount:0.5 Radius:1.0にて適用しています。ノイズを軽減できる代わりにディテールがつぶれてしまうので最終画像の作成にはできるだけ利用しないようにしています。
Q4
CoronaVFBではどんな設定をしていますか?
TONE MAPPINGにて、HighLight Compressionで白飛びを抑え(5.0~) Contrastでメリハリをつけて(3.0~) Exposureで明るさのバランスをとるのが基本的なアプローチです。以前はLUTを利用していましたが、最近はTONE MAPPINGのContrastを高めることで十分な気がします。White Baranceは5500~7500程度でおさめています。
その他、LightMixの項目でライティングを調整しています。具体的な設定方法はこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
Q5
BLOOM&GLAREはどのように利用している?
VFB上での設定では、Size:5.0/Bloom intensity:0.1/Glare intensity:0.3 前後で設定しています。効果はライトの見え方(視点位置・高さと光源の関係)によって変わってくるのでその都度調整が必要となります。
Q6
Corona Proxyとはどんな機能ですか?
ポリゴン数の多いオブジェクトを複数配置していくと、ファイル自体の容量が増えてゆき、ビューポートでの操作がしずらくなったり保存に時間がかかってしまう状態になると思います。そのような場合、高ポリゴンのオブジェクトをプロキシファイル(.cgeo)に変換し、外部データとして読み込むことで、シーンファイルを軽量化し作業性を向上させることができます。しかしレンダリング時間は短縮されません。
個人的には、シーンのポリゴン数が2~300万を超えたあたりから家具や樹木などのオブジェクトをプロキシ化していくようにしています。

Q7
Chaosコスモスの素材が編集できないのですが?
Chaosコスモスのデータはプロキシ化された状態でファイルにインポートされます。それらの編集ができるのはマテリアル程度でしょうか。大きさや形状自体を編集したい場合は、メッシュに複製(Duplicate to mesh)を行う必要があります。
また、オブジェクトによって表示方法が異なる設定になっています。プロキシ化されたオブジェクトは点群表示がわかりやすく主流ですが、好みによってフルメッシュ表示なども可能です。

Q8
レンダリングした後に画像の明るさやホワイトバランスを変更できないのか?
1度レンダリングした画像に対してVFBを利用してTONE MAPPINGやLightMixを調整するには、「.cxr」形式で保存する必要があります。3dsMax版では書き出しの形式を指定、C4D版はVFBウィンドウ左上のSaveタブから「Save CXR」を選択して保存します。
cxfファイルをダブルクリックすれば、Corona Image Editorが起動し、インタラクティブレンダリングを利用していた時のように、レンダリング画像に対しての微調整が行えます。
Q9
レンダリング画像の保存形式はなににしていますか?
レンダリング画像をCXR形式で保存した後、Corona Image Editorにて「EXR」形式で書き出し、PhotoShopで調整しています。EXRファイルは高輝度の範囲と色を保持することができるためよく使います。
Q10
CINEMA4D版と3dsMAX版ではなにか違うのですか?
3dsMAX版の方がインタラクティブレンダリングの表示や処理が早いような気がします。また、分散レンダリング(Distributed Rendering)が利用でき、V-rayのようにマテリアルに対して特別な設定が必要ないのでとても使いやすい印象です。C4D版のTeamRenderはスレーブ側のマシンスペックを生かしきれず、レンダリングスピードに大きな影響が出てこない気がします。(設定によっては解決できるようですが・・・)
また、C4D版では一般的なプロキシオブジェクトをスキャッタ(ランダム配置)する機能、特にForestPackのような林や森を表現するプラグインがないのが残念です。現バージョンでCorona Scatterは多様な設定ができないため物足りない印象です。
今回はこの10個の質問について回答していきましたが、ほかにChaosCoronaについて悩んでいること・わからないことがありましたらわかる範囲でお答えしていきたいと思います。コメント等にてお知らせください。
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