【建築パース】これで解決!画像解像度と印刷サイズの関係【3DCG】

「解像度」という言葉をよく見かけると思うが、そのしくみを理解している方はそう多くないだろう。
dpiとかピクセル数など専門用語が絡み合ってくる為、敬遠したくなる気持ちはよくわかる。

印刷する大きさなど、目的がはっきりとしていれば、それほど難しい内容ではないし関係性も意外とシンプルである。

この記事では
解像度を構成する基本要素の説明と、用途に応じた解像度の算定方法を紹介していく。


最近は、高解像度モニタでの表示も意識してレンダリングサイズを決定する必要がある。
印刷だけでなくパソコン上での表示も理解するため基本を学んでおくとよいだろう。

目次

1. dpiとは?

画像データにおける解像度は「dpi(ドットパーインチ)」という単位で表現する。これは1インチ(約2.54cm)内にある点の密度を表記したもの言う。

72dpiとは1インチあたり72ドットの画像解像度ということ。
350dpiとは1インチあたり350ドットの画像解像度ということ。

一般的に、解像度が高ければ高いほど画像はきめ細かく高品質な印刷が可能になる。
一方、解像度が低くなるほど画像の鮮明さは失われていく。画像を使う場合には、この解像度が大変重要になってくるというわけだ。

2.「解像度が高い」とは?

解像度が高い画像とは「情報量がつまっていて鮮明に印刷することができる画像」ということだ。
dpiが高いほど、ドットが多く滑らかな画像ということが言える。

400×400ピクセル/解像度:72dpi
400×400ピクセル/解像度:300dpi 

ディスプレイ上に限って言えば「画像ピクセル数でのみ」見た目が決まるので、解像度(dpi)がいくつであっても、同じピクセル数の画像なら画面上の違いはない。(上の画像で違いは確認できないだろう)
つまり、解像度(dpi)が関係してくるのは印刷をする場合のみということだ。

Retinaをはじめとする高解像度モニターで綺麗に表示させるためには、表示サイズの2~3倍のピクセル数画像が必要となる。解像度を72dpiから144dpiにすればよいということではないので注意が必要。大きな画像サイズが必要となるので、用意するレンダリング画像も大きくしなければならない。


3.「解像度が低い」とは?

解像度が低いということは、構成するドットの密度が低いということなので、写真がぼやけたりエッジが荒かったり画質が悪くなってしまう。パソコンで見ている分にはきれいな画像であっても、解像度が低いものを実際に印刷をしてみると画質の悪さが目立ってしまう。

一般的に、Webで表示される解像度の目安は72dpiとなっており、画面上では綺麗に表示されている。(上記の通りRetina除く)
しかし、72dpiの解像度では印刷用途としては低いため、印刷するとボケてしまう場合があるので注意しよう。

印刷した時の72dpiと350dpiの違いイメージ

4. 印刷に適した画像解像度とは

用途によって変わるが目安は以下になる。

プレゼンパース 200dpi
広告用パース 300~350dpi


解像度(dpi)は高ければ高いほどいいというわけではない。300dpi以上の解像度(dpi)は人の目にはほぼ判別できないようだ。
無駄にデータ量が大きくなり作業性に影響するので、最適な解像度を選択することは重要である。

大判ポスターの場合は、離れて見る事を想定するので、大きくなればなるほど高解像度は必要なくなる。
解像度の目安は200dpi程度ただし、近くで見てもきめ細かい表現が必要な場合は、300dpi以上が必要な場合もある。

5. 画像解像度と印刷サイズの計算方法

どのくらいの大きさでレンダリングすればよいのかは、出力するサイズに依存する。
計算方法もあるのだが、難解なのでこちらのサイトで調べることをおすすめする。
>>印刷解像度と画素数

このページでは印刷解像度を設定すれば、出力サイズに応じたピクセル数が表示される。
例:印刷解像度250dpi A4出力では 2923×2067ピクセル

6. スーパー解像度って?

2021年3月、Photoshopのアップデートが行われた。それに伴い、AdobeCameraRawもv.13.2になり、新機能「スーパー解像度」なるものが実装された。画像の新しい拡大技術で、画質は維持したまま解像度を2倍に大きくできるようになった。こちらの記事で詳しく検証している。
>>【Photoshop】 スーパー解像度って建築パースに使える?


7. 画像解像度と印刷サイズの関係まとめ

以上が、画像解像度と印刷サイズの関係についてである。

ディスプレイ上の表示では解像度(dpi)は関係なく、画像のピクセルサイズに依存する。印刷時のみの問題ということで切り離そう。

そして

1. パースの「用途」に応じた解像度を設定し(プレゼン<200dpi>or広告<300~350dpi>が目安)
2. 印刷する大きさに比例したピクセルサイズをレンダリングする


という流れになる。

2のピクセル数計算には「popup.jp」を利用するとよい。シンプルにこれで建築パースと印刷の関係性は解決する。


その他、建築CG制作におさえておきたい知識の記事はこちら
>>建築パース】照明色温度の基本とIESライトを解説【3DCG】
>>【3DCG】建築パース制作時のアングル決定方法【カメラ設定解説】

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