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インテリアパースのポストプロダクションを解説

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約5分
    インテリアパースのポストプロダクションを解説

    前回記事インテリアシーンのマテリアル設定(CoronaRender)を解説の続きになります。
    Cinema4dとPhotoshopを利用したポストプロダクションの方法を紹介していきます。

    カメラのホワイトバランスを調整

    とりあえずのカメラ設定で、ホワイトバランスを「8000ケルビン」にしておきましたが若干青みを感じたので最終的に「9000ケルビン」でレンダリングすることにしました。

    左 : 8000ケルビン 右 : 9000ケルビン

    Coronaマルチパスの設定

    photoshpで調整することを目的に効果を分けてレンダリングします。

    通常主に利用しているのが
    「Reflect」・・・反射が物足りない場合があるので 主に外観時
    「Shadow」・・・影が濃すぎる場合が多いのでこちらで薄くします
    「AO」・・・アンビエントオクルージョンを追加するため
    「Material ID」・・・適用マテリアルでマスクが設定できるため
    「object ID」・・・オブジェクトバッファで指定したもののマスクが設定できるため
    以上を別途書き出します。
    設定方法を説明していきます。

    Coronaマルチパスウィンドウより追加したい効果を「Pass Type」より選択して「>」をクリックでActive Passesに反映。

    「Available passes」よりMaskを選択・追加、右ウィンドウ中段より「Object buffer ID」をチェックして適当な数字を入れます。

    オブジェクトレイヤーより、選択範囲として書き出したいオブジェクトを選択右クリックから[Coronaタグ]>[Corona Compositing]を追加。「Object Buffers」のEnableチェックをオンにして数字をマルチパスと一致させればOK

    マテリアルについても同様の設定で選択範囲が書き出せます。

    左 : Object bufferタグで床マスク書き出し 右 : マテリアルIDで壁・天井のマスクを書き出し

    アンビエントオクルージョンは少しわかりづらいです。
    Pass Typeより「Texmap」を選択+追加。右ウィンドウのMapより[Corona]>[AO]を選択します。

    タブをクリックするとシェーダーの設定ウィンドウが開くので、「Max distance」を適当な数値にすればOK。

    マルチパスの説明は以上になります。
    今回はとてもシンプルなシーンの構成なので、AOと床・濃い木目の選択範囲のみを書き出します。

    以後、レンダリング後Photoshopでの操作解説になります。

    アンビエントオクルージョン画像の利用方法

    アンビエントオクルージョンの反映方法ですが、注意が必要です。
    プロの制作した建築パースでもたまに、AOをうまく利用できずに汚い画像になってしまっているのを見かけます。
    これから解説する方法を適用すればだいぶ改善されます。

    参考画像を用意しました。
    AO画像を乗算でそのまま投影したものが左。特にブランケットが汚れた感じになってしまいました。よくないです。

    右は今回紹介するAO画像スクリーン+ベース画像を乗算で乗せる方法。
    ほんの少しの違いですが、ベース画像の色を反映しながらシャドーが追加されるので自然な雰囲気が保てます。
    実際に今回のシーンで解説します。

    レンダリングした背景画像をコピー(⌘+J)してAO画像と同じグループに。そのAO画像を「スクリーン」で投影します。
    あとは一緒にしたグループの投影を乗算にするだけです。↓

    左がAO乗算のみ、右がAOスクリーン+グループ乗算を適用したものです。違いがよくわかりますね。

    カラールックアップ

    アンビエントオクルージョンを追加すると画像全体が若干暗くなります。明るさを補うために「カラールックアップ」を適用します。(シンプルなシーンなので明るさ・コントラストでの調整でも問題はありません)

    カラールックアップについては詳細記事がこちらにありますので併せてお読みください。
    >>カラールックアップ・レタッチテクニック

    レイヤーウィンドウの右下マークのクリックからカラールックアップを選択、専用レイヤーが追加されます。
    プロパティウィンドウからLUTファイルを選びます。私は「Kodak 5218 kodak 2383(by Adobe).cube」がお気に入りで多用していますが、効果が少し強めなので不透明度を50%にして調整しています。

    その他の微調整

    床とテーブルの木についてはマスク画像書き出しの設定をしました。
    カラールックアップを適用したので床の薄さが気になりました。調整を行います。

    床のマスク画像をチャンネルレイヤーに読み込み、そのサムネイルを⌘+クリック。レイヤーに戻ってグループを追加して床のマスクを反映させます。

    この準備によってグループ内に入っている効果は床の選択範囲内に適用される状態ができました。
    少し複雑な方法ですが、変更等が起こった時に背景画像を入れ替えるだけで効果が反映されるので間違いが起こりにくくおススメの方法です。

    今回は床の明るさを若干暗くして、カラーバランスで調整しました。

    まとめ

    最後に全体に明るさ・コントラストの明るさを+10適用して完成になります。

    以上がシンプルなインテリアシーンのパース制作工程になります。

    今回は、室内の要素(壁床天井、家具など)を最低限、マテリアル・ライティングもシンプルなものにして把握しやすい内容にしております。もうすでにある程度のインテリアパースを制作できる方には物足りなかったかもしれませんね。

    インテリアはとても簡単にリアルなCGが制作できるので、
    以上のやりかたを参考に応用すればだいたいのものは対応できるかと思います。

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