【Blender】家具モデリング・チェア編【チュートリアル】

【Blender】家具モデリング・チェア編【チュートリアル】

Blenderで家具モデリングをしたいけど、参考書籍や解説サイトが少なく困っている方は少なくないだろう。
作り方をある程度把握してないと、応用は難しく、高品質な3Dモデルを作成することはできない。

今回の記事では、エレファントという一見複雑な形状をしているが意外とシンプルなイスのモデリング方法を解説していく。
他でも応用できるモデリングの方法が詰まっているので有益な記事となっているはずだ。

作り方を理解し何度も繰り返し練習すれば、このレベルのモデリングは容易にできるようになることをお約束する。

【この記事の要約:30秒でわかる結論】

  • 結論:Blenderで家具のチェアをモデリングする際は、基準となる寸法を数値入力し、下絵に合わせて形状を段階的に整える手順が基本となる。プリミティブから形を作り、SDS(サブディビジョンサーフェイス)で滑らかさを出し、Solidifyで厚みを付けるなど、形状制御の基本に沿った工程を着実に積み重ねることが精度と効率を担保する方法である。
  • 独自の視点: 3Dモデル制作はテクニックの集合ではなく、設計段階で寸法・形状・構造を明確に設計する工程が品質を左右する。プロは下絵や実寸データを基準に、ポリゴンの流れ・対称性・面構成を論理的に制御して形状を構築し、滑らかな曲面や開口部などの処理も計画的に進める。 こうした制御設計の視点が、単なるツール操作との大きな差となる。
  • 読後の結果:読者はBlenderを使った家具モデリングの標準的な手順と主要な操作(プリミティブからの形状づくり、モディファイアーの活用、対称モデリングなど)を理解し、再現性のあるモデリング作業の設計基準を整理できるようになる。
目次

1. 作成準備

Blenderのシーンプロパティ・単位パネル。単位系を「メートル法」に、長さのプルダウンから「ミリメーター」を選んでいる画面

まずはシーンの単位系を設定する。シーンプロパティより、単位>単位系をメートル法、長さの単位をミリメーターに設定。

初期状態のキューブを選択し、サイドバーのアイテム>寸法にX 620mm・Y 590mm・Z 410mmを数値入力した画面。スケールはX 0.310・Y 0.295・Z 0.205

最初から用意されているキューブを選択し、アイテムより寸法の項目を「W620mm・D590mm・H410mm」と数値入力にて行う。

ビューポートに読み込んだチェアの2面図(正面幅620、側面奥行590、全高850、座高440、背550)に、数値入力で作ったキューブを重ねて図面の大きさを合わせている画面

画像はビューポートへドラッグ&ドロップで読み込むことができる。イスの図面を取り込み、さきほど数値入力で作成したキューブを基準に、図面の大きさを拡大・縮小させながら合わせて準備は完了である。

2. 座面を作成

編集モードで面選択にし、右クリックメニューの「面を削除」を選んでいる画面(左)と、上面と手前の面を削除して箱が開いた状態(右)

編集モード(tab)から面選択(3)し、右クリックで2面のポリゴンを削除する。

ループカット(Ctrl+R)で箱に水平・垂直の辺を追加した状態(左)と、側面ビューで下絵の座面・背もたれの位置にエッジを合わせた状態(右)

ループカット(Ctrl+R)を使って辺を追加する。

Blenderプリファレンスのアドオン画面。検索欄に「auto」と入力し、「Mesh: Auto Mirror」にチェックを入れて有効化している

ここからはBlenderの標準アドオンのAuto Mirrorを利用して、左右対称のモデリングを行う。
上部編集メニューよりプリファレンス、アドオンで「Auto Mirror」と検索。表示されたものにチェックを入れて利用可能にする。

サイドバーに追加されたAuto Mirrorパネル。対称面にX、Cut and MirrorとUse Clipにチェックを入れ、AutoMirrorボタン(黄色矢印)を押して左右対称のクローンを作る画面

右側編集タブに「Auto Mirror」が追加されているので、対称面を選択(今回はX)してAutoMirrorボタンをクリックすると対称のクローンが生成され、片側のみに行った編集がクローン面にも適用される。

ポイントを移動・削除しながら下絵に合わせて大まかな形にしたシェル(左)と、側面ビューで下絵の輪郭に重ねた状態(右)

ポイント(ポリゴンでも可)を調整・削除を行いながら、おおまかに下絵に合わせていく。

側面に穴を開けるためループカット(Ctrl+R)で辺を追加した状態。右の側面ビューでは黄色矢印が追加した中央の辺を指している

側面に穴を開けるために、再度ループカット(Ctrl+R)

真ん中のポイントを基点にベベル(Ctrl+B)をかけている画面。影響「頂点」、幅275mm、セグメント2、断面のタイプを「カスタム」にして曲線のプリセットを編集している

真ん中にできたポイントを選択。そのポイントを基点にベベルをかけたいので、Vキーをクリックした後、ベベル(Ctrl+B)適用する。
セグメントは「2」、断面のタイプをカスタムにして滑らかな曲線を描く。

穴を作る工程。左は赤い太線で示した対角の頂点をJキーで結んだ状態、右は円の部分のポリゴンを削除してポイントを調整し、アームの開口ができた状態

ポリゴンモデリングでは、「四角形で構成」と「ポリゴンの流れを自然に」が基本である。
頂点選択で二点を選択して(J)で辺をつなげる。円の部分のポリゴンは削除して、ポイントを大まかに調整する。

正面ビューの下絵に合わせ、面を差し込む(ショートカットI)ツールの位置を赤矢印で示しながらループカットで辺を追加している画面。ループカットとスライドは分割数1・係数0.249

ループカット(Ctrl+R)を使用して辺を追加し、形状を調整していく。

背にあたるポリゴンを選択して外側へ少し移動させ、膨らみを付けている画面。左は斜めから、右は側面ビューで開口部の形を確認した状態

背にあたるポリゴンを選択し、外側に若干移動させて膨らみを表現しておく。

下絵に合わせてエッジを追加・調整している側面ビュー2点。右では背もたれ先端の不要なポイントを赤矢印で示している

下絵に合わせる為、必要に応じラインカット等を行いエッジを追加し調整していく。
上画像右で選択しているポイントは不要なので削除。

正面の下絵をもとに上半分のポイントを調整した状態。左は側面ビュー、右は正面ビューで背もたれの輪郭に頂点を合わせている

正面の下絵をもとに、上半分をポイントモードで調整していく。

下半分もポイントモードで調整し、おおまかなモデリングが完了したシェル。左は側面ビュー、右は正面ビューで下絵の輪郭とほぼ一致している

同様に下半分もポイントモードで調整し、おおまかなモデリングが完了した。

3. SDS(サブディビジョンサーフェース)を適用する

モディファイアーを追加のメニューを開き、生成の列から「サブディビジョンサーフェス」を選んでいる画面。オブジェクトにはすでにMirrorが入っている

適用したいオブジェクトを選択している状態で、右のスパナマーク、モディファイアーを追加から「サブディビジョンサーフェイス」を選択。

SDS適用後、シェルの表面に出た意図しないシワを赤矢印で指した状態(左)と、上面ビューで飛び出したポイントを見つけて移動させ直す状態(右)

カクカクしていた形状が滑らかに表現されたが、よく見てみると、意図しないシワが発生してしまっている。
上面から見てみると、飛び出てしまっているポイントがあったので、自然に納まる位置へと移動することで解決する。

全体的にチェックを行い、不自然なところがないようポイントを移動させながら形状を整える。

アーム部と開口部の調整。左は開口部の縁のポイントを選択して動かしている状態、右はその結果、穴の形が実物の雰囲気に近づいた状態
正面ビューでアームの開口部を調整する画面。左は青い円のプロポーショナル編集の範囲、右は範囲を広げて縁の形をなだらかに整えた状態

アーム部分・開口部の調整を行う。下絵として利用している2D図面は3次元で検討しているものは少ないので、図面の形よりも実物の写真の雰囲気に合わせてモデリングしていくほうがよい。

板ポリゴンのシェルにソリッド化(Solidify)モディファイアーを追加し、幅8mm・「均一な厚さ」にチェックを入れて厚みを付けた画面

現状は板ポリゴンの状態なので、厚みをもたせる。
右のスパナのマーク、モディファイアーを追加から「ソリッド化(Solidify)」を選択。均一な厚さにチェックマークを入れ、幅を8mmに設定。これで座面のモデリングは完成である。

4. 脚をモデリング

Shift+A>カーブ>ベジエで作った脚のカーブを、下絵の脚に合わせて①〜④のポイントを配置した側面ビュー。黄色矢印は曲がりすぎている中間部分を指している

(Shift+A)でウィンドウを表示させ、カーブからベジエを選択し、①~④までのポイントを下絵に合わせて作成する。

脚のカーブの修正。左は曲がりすぎたベジエ、右は右クリック>スプラインを設定>多角形にしてから戻し、ポイントが下絵の脚に沿った状態

このままでは曲がりすぎなので、編集モード(tab)で右クリックし「スプラインを設定」より「多角形」を選択。再度、ベジェに設定を戻すと編集が行いやすくなる。

②③のポイントを細分化してポイントを2つ増やし、位置をドラッグして下絵の脚のカーブに合わせている側面ビュー2点

②・③のポイントを選択した状態で右クリックより細分化を行い、2つポイントを増やし、位置をドラッグして下絵に合わせる。

カーブのミラー複製。左はオブジェクトメニュー>適用>全トランスフォーム、右は右クリック>ミラー>X Globalを選んでいる画面。左下には原点を設定>原点を3Dカーソルへ移動のパネル

いままで作成していたカーブをミラーで複製する。
カーブを選択し右クリックから、原点を設定>原点を3Dカーソルへ移動を選択。
左上「オブジェクト」メニューから、適用>全トランスフォームを選択。再度右クリックから、ミラー>X Globalを選ぶとX軸を基準にカーブがミラーリングして生成される。

2本の脚の連結部のカーブを追加し(左、黄色矢印)、すべてのカーブを選択して右クリックメニューの「統合」でひとつにまとめている画面(右)

2本の脚の連結部も同様に作成していく。Shift+Aから、カーブ>ベジェを選択。
編集モード(tab)でカーブのポイントを選択し、右クリックから、スプラインタイプを設定>多角形を選び、ポイントの位置を調整する。
最後にいままで作成したカーブをすべて選択して、右クリックから「統合」を選び一つのカーブに変換しておく。
(右クリックから統合が選べるのはv2.93より。それ以前の場合は「Ctrl+J」で行う)

統合したカーブを選択し、カーブデータのジオメトリ>ベベルで深度8mm・解像度4に設定して、カーブに沿った丸パイプの脚が生成された上面ビュー

統合したカーブを選択し、右下のプロパティパネルより、緑色のカーブアイコンを選択。ジオメトリの項目にある「ベベル」より、深度を8mmに設定するとカーブに沿った丸パイプ形状が生成される。

脚先端のキャップ作成4コマ。①端部の円形ポリゴンを選択、②押し出し+差し込み、③内側のポリゴンを2度押し出し、④スケールで外側へ拡大

脚部先端のキャップを作成する。
カーブを選択し右クリックから、変換>メッシュを適用。端部の円形ポリゴンのみを抽出し<①>、押し出し+差し込みを行い<②>、内側にできたポリゴンを2度押し出す<③>。スケールで最後ポリゴンを外側へ拡大させる<④>。

キャップ作成の続き4コマ。⑤再度押し出し、⑥領域を押し出して移動(Z 2.4584mm)、⑦S→Z→0で接地面を平面化(Z 0.75763mm)、⑧若干押し出した状態

再度押し出しを行う<⑤>床との接地面を作成したいのだが現状、面が斜めになっているので平面化を行う。ポリゴンを選択した状態でスケール(S)、Z軸に対して水平にしたいので、Zキー~0キーと押すと平面化が行われる<⑥⑦>。若干押し出す<⑧>。

脚先端の底面。まわりの辺を選択してFキーでキャップを張り、拡大縮小パネルでスケール1.035に広げているところ

端部の穴が開いている状態なので、まわりの辺を選択し(F)キーでキャップを作成。最後にベベル(Ctrl+B)を利用して滑らかにしておく。

脚のパイプと座面の間にできた隙間を黄色矢印で示した状態(左)と、調整して座面が脚に接した状態(右)

脚部のパイプと座面の間に隙間ができてしまっているので、調整しモデリングは完了となる。

5. 家具モデリング・チェア編 まとめ

完成したチェア2脚のCG。白と黒のシェルにワイヤーフレームを重ねて表示し、細い金属の4本脚、明るいグレーの背景

以上が家具モデリング・チェア編の解説である。

「プリミティブのモデルを利用して大まかな形状を作成~SDSで丸みをもたせる」
といった有機形状モデリングの基本を紹介した。

ポリゴン数のすくない状態で形を整え、複雑化していくという工程が理解できたかと思う。
また、オブジェクトに開口部を開ける方法は非常によく使われるやり方なので是非覚えておこう。

建築パース制作の現場では、ここまでのモデリング技術を求められることは少ないのが実情である。しかし、出来ることがふえると制作物の奥行が増し、全体のクオリティを高めてくれる。是非習得しておきたい技術である。


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>>【Cinema4D】家具モデリング・チェア編【チュートリアル】


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