【Cinema4D】家具モデリング・チェア編【チュートリアル】

【Cinema4D】家具モデリング・チェア編【チュートリアル】

Cinema4Dで家具モデリングをしたいけど、参考書籍やサイトが少なく困っている方は少なくないだろう。
作り方をある程度把握してないと、応用は難しく、高品質な3Dモデルを作成することはできない。

今回の記事では、エレファントという一見複雑な形状をしているが意外とシンプルなイスのモデリング方法を解説する。
他でも応用できるモデリングの方法が詰まっているので有益な記事となっているはずだ。

作り方を理解し何度も繰り返し練習すれば、このレベルのモデリングは容易にできるようになることをお約束する。

【この記事の要約:30秒でわかる結論】

  • 結論:Cinema 4Dで椅子のモデリングを行う際は、基準となる寸法・下絵に沿って段階的に形状を構築する工程設計を重視するべきである。プリミティブ形状から開始し、分割・押し出し・スムージングを計画的に組み合わせることで、高精度な家具モデルを効率的に制作できる。
  • 独自の視点: 3Dモデリングはツール操作ではなく、数値的な寸法・面構成・ポリゴンフローを論理的に制御する設計行為である。プロは下絵や実寸データを基準に、形状の本質となる部分を優先して設計し、細部の制御は後続工程で段階的に整える。こうした工程設計の視点が、制作精度と再現性を担保する根拠となる。
  • 読後の結果:読者はBlenderでの標準的なモデリング手順と基本的な制御要素を理解し、再現性のあるモデリング作業の判断基準を整理できるようになる。


目次

1. 作成準備

Cinema 4Dの透視ビューで立方体を作成し、座標マネージャのサイズにX 620mm・Y 410mm・Z 590mmを数値入力した状態

立方体を追加し編集可能(C)な状態にした後、座面の大きさ(W620mmD590mmH410mm)を数値入力で行う。
続いて、下絵となる図面を取り込んでトレースしていく。

前面ビューのビューポート設定[背景]タブ。画像に pianta.jpg を読み込み、X方向のオフセット48・サイズ195.171、Y方向のオフセット-8・サイズ138、透過90%に設定

前面ビューをアクティブにして、Shift+Vよりビューポートウィンドウを表示する。背景タブの画像部に図面画像を読み込ませる。
透過を利用し半透明にした状態で、サイズ・オフセットを調整し、先ほど作成した立方体に図面の方の大きさを合わせていく。

右面ビューのビューポート設定[背景]タブ。pianta.jpg をX方向のオフセット-51・サイズ194.5、Y方向のオフセット-7.3・サイズ137.525、透過80%に設定

側面(右面)ビューの方でも同様の対応を行い、準備は完了だ。

2. 座面を作成

立方体から不要な面を削除する工程。左はポリゴン6面のうち上面と手前面を選択した状態、右は削除してポリゴン4面になった状態

作成した立方体をもとに、不要なポリゴンを削除して形を整えていく。上画像左・2面のポリゴンを削除。

ループ/パスカット(M~L)でエッジを2本追加した状態。エッジ数29、右は側面ビューで下絵の椅子断面と重ねている

ループ/パスカット(M~L)を利用し、上画像のように2本のエッジを追加する。

不要なポイントを削除して下絵におおまかに合わせた状態。ポイント数16、右面ビューで椅子の側面図と重ねている

ポイント(ポリゴンでも可)を削除し、おおまかに下絵に合わせていく。

側面に穴を開けるためループ/パスカットで側面ポリゴンを等分にカットする操作。ポリゴン20、カット位置は50%

側面に穴を開けるために、再度ループ/パスカット(M~L)を利用して上画像のようにカットを行う。
ループカットツール選択時、上部にツールバーが表示されるが、三本線マークは均等にカットを行ってくれるので多用している。
今回も上画像で選択しているポリゴンに対して等分にカットしたいので利用している。

中央のポイントにベベルを適用して八角形を作る設定。オフセットモードは固定距離、オフセット95.333mm、分割数1、デプス-100%、形状は円形・張力100%

真ん中にできたポイントを選択して、ベベルを適用する。上右画像のような設定で行うと、8角形を成形することができる。

ラインカット(M~K)で四角形を構成する工程。左は追加するラインを赤で示した状態、右はカット後にポイント42で開口を下絵に合わせた状態

ポリゴンモデリングでは、「四角形で構成」と「ポリゴンの流れを自然に」が基本だ。
ポイントモードでラインカット(M~K)を利用し、上画像左の赤線部をカットして四角形を構成していく。その後、下絵におおまかに開口を合わせていく。

正面ビューでループ/パスカットを使いエッジを追加する操作。カット位置66.667%、エッジ数97

正面のビューに移動して、ループ/パスカット(M~L)を利用して上画像のようなエッジを追加する。上部バーの「+」マークをクリックするとエッジ数が等間隔に追加される。

背にあたるポリゴンを選択して外側へ移動し、膨らみをつける操作。ポリゴン40、右面ビューで黄色い矢印が移動方向を示す

背にあたるポリゴンを選択し、外側に若干移動させて膨らみを表現しておく。

正面ビューで中央にエッジを追加し、右半分を削除して対称オブジェクトに入れる工程。ポイント数35

再度ループ/パスカット(M~L)で真ん中にエッジを追加する。右半分を削除して対称オブジェクトに入れる。

対称オブジェクトの追加と設定。ジェネレータのメニューからSDS・配列・ブール・インスタンスなどと並ぶ「対称」を選び、対称面ZY・ポイントの結合オン・許容値0.1mm、モデリングの「対称面にポイントを固定」「対称面のポリゴンを削除」をオン

対称オブジェクトの設定は上画像を参考に。うまくいかない場合は許容値を大きくしていけば解決するだろう。後ほどで構わないが、モデリング項目の「対称面にポイントを固定」「対称面のポリゴンを削除」はチェックしておくとよい。

ラインカットでエッジを追加して下絵に合わせた状態。右面ビューでポイント40、黄色い矢印が削除する不要なポイントを指している

下絵に合わせる為、必要に応じラインカット等を行いエッジを追加し調整していく。
上画像右で選択しているポイントは不要なので削除。

正面の下絵をもとにポイントモードで上半分を調整した状態。ポイント39、左が右面ビュー、右が前面ビュー

正面の下絵をもとに、上半分をポイントモードで調整していく。

下半分もポイントモードで調整し、おおまかなモデリングが完了した状態。ポイント39、左が右面ビュー、右が前面ビュー

同様に下半分もポイントモードで調整し、おおまかなモデリングが完了した。

3. SDS(サブディビジョンサーフェース)を適用する

SDS(サブディビジョンサーフェス)を適用して滑らかになった座面。左は透視ビューで黄色い矢印が意図しないシワを指し、右は上面ビューで飛び出したポイントを確認している

作成していた立方体にSDSを適用する。オブジェクトレイヤーで立方体を選択した状態でOptionを押しながら、SDSのアイコンをクリックしよう。カクカクしていた形状が滑らかに表現されたが、よく見てみると、意図しないシワが発生してしまっている。
上面から見てみると、飛び出てしまっているポイントがあったので、自然に納まる位置へと移動することで解決する。

全体的にチェックを行い、不自然なところがないようポイントを移動させながら形状を整える。

アーム開口部のポイントを移動して形を整える前後の比較。ポイント36、開口の縁のラインが滑らかになっている
上面ビューでアーム開口部のエッジをオレンジ色に選択し、回転ツールで角度を調整する操作。エッジ数59

アーム部分・開口部の調整を行う。下絵として利用している2D図面は3次元で検討しているものは少ないので、図面の形よりも実物の写真の雰囲気に合わせてモデリングしていくほうがよい。

板ポリゴンに厚みをつけた後の状態。対称オブジェクトの属性で「対称面のポリゴンを削除」にチェックを入れて対称面の不要な面を処理している

現状は板ポリゴンの状態なので、厚みをもたせていく。
ポリゴンモードより全選択を行い、押し出し量5mm・分割数1にて押し出しを行う。対称面においてポリゴンが作られうまくいかない場合があるが、その時はそのポリゴンを削除するか、対称オブジェクトウィンドウより、「対称面のポリゴンを削除」にチェックを入れることで解決する。

SDSオブジェクトの属性。タイプはCatmull-Clark (N-Gons)、エディタでの分割数3・レンダリングでの分割数3、UV座標の扱いはエッジ。開口部のRが滑らかになった座面

開口部のR表現がまだ粗いため、SDSのウィンドウより、エディタ・レンダリングでの分割数を2から3にしておく。
以上で座面のモデリングは完了である。

4. 脚をモデリング

脚部のスプライン作成。右面ビューで①から④の順にポイントを打ち、ラインカットで⑤⑥を追加した状態。右は前面ビューでの脚の傾き

スイープを利用して脚部を作成していく。上画像左参照、まずは数字順に①から④までポイントを追加してスプラインを作成。その後ラインカット(M~K)で⑤と⑥のポイントを追加する。前面ビューよりそれぞれポイントの位置を調整する。

スプラインのポイントに面取りを適用して下絵のラウンド形状に合わせる工程。左が右面ビューでポイント8、右が上面ビューでポイント10

②・③のポイントを選択した状態で右クリックより面取りを選択。ドラッグで調整しながら下絵にラウンド形状を合わせる。(上画像左)⑤・⑥のポイントにも同様の対応を行う。(上画像右)

2本の脚スプラインを連結する新しいスプラインを作成した状態。左が上面ビュー、右が右面ビューの拡大でポイント4

このスプラインにも対称オブジェクトを適用する。2本のスプラインを連結するように、新たなスプラインを作成する。

すべてのスプラインにスイープを適用して脚部のパイプを立体化した状態。断面は半径8mmの円形スプライン。左が前面ワイヤー、右が透視のシェーディング表示

これらすべてのスプラインにスイープを適用して立体化させる。断面形状は円形スプライン:半径8mm。これで脚部のパイプが完成である。

脚先端キャップ作成の前半4工程。①端部の円形ポリゴンを抽出、②面内に押し出し、③内側のポリゴンを押し出し、④再度面内に押し出して範囲を拡大。ポリゴン数は21から207へ

脚部先端のキャップを作成する。
片方の脚のスイープを選択し、右クリックから「現在の状態をオブジェクト化」を適用する。端部の円形ポリゴンのみを抽出し<①>、押し出し+面内に押し出しを行い<②>、内側にできたポリゴンを押し出す<③>。再度面内に押し出しで外側へポリゴン範囲を拡大させる<④>。

脚先端キャップ作成の後半4工程。⑤押し出し、⑥スケールツールを選択、⑦Y方向を0%にして水平にしX・Z方向に拡大、⑧若干押し出し。ポリゴン数264から321へ

再度押し出しを行い<⑤>、前面ビューへ移動し、スケールツールを選択<⑥>。床との接地面を作成したいので、Y方向のバンドをクリック&Shift+ドラッグで0%まで変形させ水平にしてから、X・Z方向に拡大<⑦>。若干押し出す<⑧>。

脚先端キャップの仕上げ。⑨ベベルでRをつけながら押し出してポリゴン421となった状態と、右の透視ビューで完成したキャップ

最後にベベルでRをつけながら若干押し出して<⑨>完成である。

座面と脚部パイプの取り合いの比較。右面ビューで隙間があった状態から、脚の位置を調整して座面に接した状態へ

脚部のパイプと座面の間に隙間ができてしまっているので、調整しモデリングは完了となる。

5. 家具モデリング・チェア編 まとめ

完成したシェルチェア2脚をワイヤーフレーム表示でレンダリングした状態。白と黒の一体成形シェルに細い金属4本脚、アームに楕円の開口

以上が家具モデリング・チェア編の解説である。

「プリミティブのモデルを利用して大まかな形状を作成~SDSで丸みをもたせる」
といった有機形状モデリングの基本を紹介した。

ポリゴン数のすくない状態で形を整え、複雑化していくという工程が理解できたかと思う。
また、オブジェクトに開口部を開ける方法は非常によく使われるやり方なので是非覚えておこう。

建築パース制作の現場では、ここまでのモデリング技術を求められることは少ないのが実情である。しかし、出来ることがふえると制作物の奥行が増し、全体のクオリティを高めてくれるだろう。是非習得しておきたい技術である。


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