【3DCGを学ぼう】360°パノラマVRとはなにか【建築パース制作】

目次

1. 360°パノラマVRとは?

「VR」とはバーチャルリアリティ(Virtual Reality)の略で、専用のゴーグルを利用して没入感を楽しむコンテンツというイメージを抱くだろう。実はそれ以外にもゴーグルを必要とせずPC・スマホ・タブレットで利用できるVRの利用方法がある。その中のひとつが「360°パノラマVR」だ。

撮影した1方向を表現する写真に比べ、上下左右とユーザが任意の場所を指定してそこから見える映像を確認できる空間コンテンツである。まるでその場所にいるかのような疑似体験を可能にしてくれる。

「Googleストリートビュー」は360°VRの技術で制作されており、目的の場所やそこまでの経路を疑似的に事前確認できるツールで、利用したことがある方も多いだろう。

従来のWebサイトや動画のように、受動的なものと異なり、自分で操作をすることで能動的に必要な情報を取得することができるコンテンツである。

2. どんな分野で活用されている?

結婚式場やホテルなど既存施設やイベントを紹介したり、歴史的建造物・観光名所の紹介にも利用されている。
海外の有名建築物や美術画など、写真だけでは感じることができない体験を360°VRを通じて提供してくれている。

普段は写真撮影不可で見学者の絶えないシスティーナ礼拝堂も、自宅にいながらその芸術を体感することが可能だ。

不動産分野では、昨今の社会情勢の影響もあり、物件案内に360°VRが盛んに用いられるようになった。バーチャルツアーと呼ばれ、平面図を用いて、指定の視点での見え方を確認することができる。
今までは、現場まで行かなければその不動産の様子を把握しずらかったが、VR技術の活用によりいつでもどこでも見ることができる商品へと変化した。

大手ハウスメーカーのダイワハウスでは、360°パノラマVRと360°動画を組み合わせる形で、実際にショールームに行くことなくその雰囲気を体験できるバーチャルコンテンツを提供している。

3. 3DCGと360°VR

前述の不動産物件の案内は、3DCGを利用して竣工前のものについても可能になる。いままでは図面とCGパースによってその完成形をイメージしていただけだが、360°VRによって体験が加わり、その物件に対する深い理解と把握ができるようになった。空間構成だけでなく、そこに配置される家具のイメージも理解できるため、適切な選択が容易になるだろう。

大規模な建築計画では、意匠設計の段階から関係者への説明などに360°VRがとても効果的だ。
カラーのバリエーションや、家具の変更なども1クリックで行え、静止画では伝えられない空間全体を把握するのに有効な手段である。

4. 360°VRはどうやってつくるのか

既存の建物に関しては、専用のカメラを用意し「全天球パノラマ画像」を撮影して、専用アプリやツアーサイトを介して利用する。
後に必要な機材を紹介するが、ある程度のクオリティでよければ、それほど時間やコストをかけずに自作することができるだろう。

3DCGを利用して、360°パノラマ画像を作成する方法についてはこちらの記事で解説している。全天球パノラマ画像のレンダリングは、カメラの設定を変更するだけで、割と簡単に対応できる。
>>【Cinema4D】360°パノラマVRを作ってみた【建築パース】

5. VR導入に必要な機材・コスト

360°パノラマVRのコンテンツは、通常のパノラマ写真制作とことなるので、専用の機材が必要となる。

5-1. 360°カメラ

パノラマVR化したい場所を360°にわたって撮影できる専用のカメラ。超広角の魚眼レンズ2つを使って撮影し、それらの映像をつなぎ合わせ上下左右360°の撮影ができる。

入門機器としては、RICHOのTHETAシリーズが価格・使い勝手のバランスがとれておりおススメである。

5-2. 撮影用簡易三脚

360°の撮影となるとどうしても撮影する人が必ず映りこんでしまう。また、一般的な三脚だと脚の部分が入り込んでしまう場合がある。その為、360°撮影に適した三脚を利用することをお勧めする。コンパクトに収納でき持ち運びにも困らないものが多い。また価格も3,000円程度のものからある。

5-3. VRソフト

撮影した写真や、3DCG技術で制作したパノラマ画像を実際に360°VRコンテンツに変換するソフト。Web上で操作できるクラウドソフトを利用するのが手軽で一般的だ。機能を制限される無料のものや、バーチャルツアーを構築できる有料サイトもある。

6. 360°パノラマVR まとめ

以上が360°パノラマVRについての解説である。

いままでは、撮影された角度だけの情報だった静止画が、見たい視点・全方位で自由に見ることができるVRによって、より多くの情報と理解を得られることとなった

場所や時間の制約もなく自由に利用できる為、コロナが収束した後でもゲーム以外の領域で需要は高まっていくだろう。
特に建築分野とは相性がよく、3DCGの制作では動画を含めたインタラクティブ性が求められる時代となり、よりクオリティの高い制作物が必要となるはずだ。

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>>【Cinema4D】360°パノラマVRを作ってみた【建築パース】

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